株式会社ダイアン・サービス:Amazonでのアメリカ向け販売から、Shopeeで東南アジアへ越境販売にチャレンジ!販促にも積極的な風除けの国内メーカー

今回は去年の11月からShopeeに出店されている株式会社ダイアン・サービスの宇佐美様、来嶋様、小暮様へ取材させていただきました。メーカー直営で店舗を運営されているまだ珍しいケースなので、出店までの経緯などなかなか聞くことのできない部分をお聞きしてみたいと思います。 <左から株式会社ダイアン・サービスの小暮様、宇佐美様、来嶋様> たまたまオンラインメディアで見つけたShopee日本越境サービス ―御社はメーカーですが、ECは直営で展開されているのでしょうか。 来嶋様:はい、弊社はエアコンの風除けを製造するメーカーでして、代理店への販売が主流なのですが、国内向けでは10数年前から自社のECサイトを運営しています。海外向けでは2016年からアメリカのAmazonを、2020年からはオーストラリアのAmazonをやってます。Shopeeは2020年11月頃から始めました。 ―海外向けの販売を開始したきっかけは何でしたか。 来嶋様:弊社の売上は法人向けの営業がベースでしたが、今後販売の幅を広げるのはオンライン販売が不可欠だと思い、初めはメーカー直営のECサイトを始めました。ECサイトは国内向きでしたが、意外なことに海外からの問い合わせも少しずつ来るようになったため、需要があるのではないかと思い海外向けのECもAmazonで開始しました。 宇佐美様:また弊社はもともとダイキン工業の販売代理店でして、エアーウィングという商品を一緒に開発しました。ダイキンさんは海外拠点を多数お持ちで、エアーウィングを展開していたので、弊社も海外へ挑戦してみたいなと思ってたのもありますね。 ―なるほど。Shopeeについて知った経緯を教えていただけますか。 来嶋様:代理店のおかげで国内の販路は確保されているのですが、海外には代理店やパートナーが居ないため、弊社はメーカーですが弊社主導で海外への展開を模索してきました。アメリカAmazonの経験はあるので、Amazonでの市場拡大を検討していましたが、販売のルールが複雑でアジアでの現地展開はなかなか難しいという結論になりました。その代わりとなる他の手段を探しているときに、小暮さんからShopeeの日本越境販売について聞いて面白そうだなと。 小暮様:そうですね。もともと東南アジアのどこかで弊社商品を販売することができないかと考えおり、マレーシアには免税地域があるのでそこから開始できないかと思っていましたね。ただし、在庫を現地で抱えるリスクがあります。そこで越境ECはどうなんだろうと調べてみたところ、たまたまECのメディアでShopee日本越境サービスの記事を見つけました。それまではShopeeという名前も知らなかったのですが、東南アジアの国々でShopeeのショッピングアプリのダウンロード数が首位と書かれていて興味を持ち来嶋さんに相談しました。 Shopee日本越境サービスは海外に在庫を抱える必要がないので始めやすい ―Shopeeについて知ってから現地での販売から、越境販売モデルに考えなおしたのですね。 小暮様:はい、在庫を海外に置かなければならないところがどうしてもネックになっていて。折角運んだ商品が万が一売れないと、リスクになってしまうので困ってました。そのタイミングでご縁なのかShopee日本越境サービスを見つけ、在庫を現地で抱える必要がなく始められると分かったので、探していたのは「これだ」と思いました。AmazonですとFBAとして在庫を海外に置かなければなりませんが、売れないと自動で返品されてしまいます。Shopeeは日本から直接送ることができるので、これは私たちにとって大きなメリットとなりました。 ―確かに現地で在庫を抱えなくていいので始めやすいですよね。東南アジアの他のECモールと比較はされましたか。 小暮様:比較しましたよ。最新の状況は分かりませんが他の大手ECの日本越境サービスは、たしか香港に在庫を置くことが必要で、手数料も発生するようでしたので難しかったです。やはり弊社としては海外に在庫を抱えるリスクを負いたくなかったので、Shopeeは参入のハードルが低いなと思いました。 東南アジアの市場にハマったエアコンの風除けと言うニッチな商品 ―そもそも東南アジアへの展開を考えていたようですが、理由は何かありましたか。 小暮様:東南アジアの市場はどうなんだろうと知人に聞いたりネットで調べた結果、特にシンガポールではエアコンをガンガンつけて、部屋をキンキンに冷やしているのがサービスというか現地の文化だと知りました。夏場でもダウンを着てオフィスで仕事をしている方も居るとか。そして日本と同じようなタイプのエアコンが主流なので、東南アジアでの商機があると分かりましたね。 ―日本と同じようなタイプというのはどのようなものでしょうか。 来嶋様:日本の家庭用エアコンと同じタイプです。意外と日本で主流のエアコンって、海外だとあまり見かけないケースもあります。アメリカでは海外ドラマとかで見るような窓に埋め込むタイプだったり、床から出るタイプ、壁に埋め込まれてるタイプが多いです。頭の上から冷風が来ることはほとんどないらしいです。 ―言われてみればそうですね。そういう文化を調べることも大切なんですね。 小暮様:そうなんです。例えば日本ですと当たり前にエアコンの配線を出して室外機を外に設置しますが、アメリカでは室外機を置きたがらないようで、一軒家の外に配線が出てないんですよ。配線が見えると外観を損ねると思われるようで、文化って不思議ですよね。 ―せっかくなので御社の商品を見せていただけますか。 宇佐美様:こちらがShopeeで一番人気のエアーウィングというエアコンの風除けです。お手頃価格で、家庭用エアコンに簡単に取付できるので東南アジアの市場に合っている商品ですね。 <株式会社ダイアン・サービスのエアーウィング> 小暮様:そして、こちらはエアークエストグリーンという森林浄化を再現するエアコンのフィルターになります。ぜひ匂いを嗅いでみてください。 <株式会社ダイアン・サービスのエアークエストグリーン> ―本当だ。自然のいい匂いがしますね。部屋が癒しの空間に変わりそうです。 Shopeeでは本当の店舗を運営しているような感覚 ―アメリカでの販売と比べてShopeeにはどのような違いがありますか。 来嶋様:Amazonですとショップ感覚というよりは弊社の商品情報がAmazon上に表示され、お客さんはその中で一番安いところから買うという仕組みになっています。Shopeeでは一つの弊社の店舗として見せれるところが大きな違いであり、メリットですね。 ―出品方式と出店方式の違いですよね。管理や展開のしやすさなどについてはいかがでしょうか。 小暮様:アメリカとは全然違いますね。Amazonは仕組みやルールがしっかりしています。例えば、向こうに預けている在庫に関しては、出荷作業や問い合わせ含め全てお任せできるので非常に楽ですが、内部の広告や売上の向上に関して質問しても、基本的にガイドラインを従ってくださいと、と具体的な提案は頂けません。逆にShopeeでは、売上を伸ばしたいと伝えると、このような外部の広告ツールを使いませんかとか、商品画像をこのように変更した方が売上が伸びますよとか、カジュアルかつフレンドリーにアドバイスをいただけるのが面白いです。Shopeeでは本当の店舗を運営しているような感覚ですね。 ―それもアメリカと東南アジアの文化の違いなのかもしれませんね(笑)。Shopeeではカスタマー対応をご自身で行いますが、どの様に対応されていますか。 来嶋様:弊社のメンバーで対応していますよ。そこに踏み込んでいけるのも面白いところだなと思っていまして、今後さらに活用していきたいです。現地に滞在されている日本の方が購入されるときがあり、このような人たちにアンケートに答えていただきインセティブを付与できないかなとか。そういうきっかけ作りになるのかなと思ってます。アメリカですとお客様とのコミュニケーションが許可されてないので、ここはShopeeの面白いところだなと思ってます。 宇佐美様:我々のようなメーカーは顧客とのふれあいがあまりないので、直接やり取りできるShopeeのシステムはありがたいですね。 ―御社はカスタマー対応含め、どのような体制でShopeeの店舗を運営されていますか。 小暮様:問い合わせは基本私が対応していて、どうしてもできないものは宇佐美さんにお願いしています。二人とも英語ができないのですが、グーグル翻訳を使って会話しています。拙い英語であっても、東南アジアのお客様は優しく受け止めてくれてますね。アメリカの場合は問い合わせは無いですし、どちらか言うと機械と戦っている感じがするので、Shopeeは逆に新鮮ですよ。 来嶋様:自社ECサイトと越境ECの運営に携わってるのは基本二名です。配送周りはもともと提携している倉庫にお願いしていて、ECMSを使って発送してもらっています。出店代行サービスも考えたのですが、運営を丸投げすることになるので、リスクなくできている限り私たちでやっていくつもりです。Shopeeのノウハウも蓄積したいですしね。 Shopee外部広告プログラムを使って現地でのブランド認知を高める ―初期段階からShopeeの販促機能やキーワード広告(検索ユーザーが入力したキーワードに連動して表示される広告)を使用されているようですが、販促や広告は重視されていますか。 小暮様:はい、特にShopeeのサイト上のキーワード広告は初期段階ではできる限りやらないと勝負にならないと思ってました。東南アジアで弊社のブランドの認知がある訳でもないので、先行投資と割り切って月2、3万ほど使用しました。他にはキャッシュバックプログラムにも参加し、最近ではセールも出させていただいています。 <出品の一例:キャッシュバックプログラムとショップバウチャーが付与されている。> ―これからの目標は何でしょうか。 小暮様:商品数をもっと増やしていきたいですね。現在は12商品を掲載しているので、最低でも30商品くらいに増やしたいです。そして各キャンペーンへ参加ししっかり成長させていく。今の3つの店舗が安定してきたら、今後は他のマーケットへ展開していきたいと思います。 来嶋様:弊社のShopeeでの展開はまだまだ未成熟であり、子どもの段階です。2020年11月に登録しまして、この半年の間は、Shopeeの出品方法、マーケティングの仕組み、キーワード広告、商品画面の改善など下地を作っている段階でした。これからはデジタル広告を使って現地でのブランド認知度を上げることが重要だと思います。ただのデジタル広告だけでなく、アンケートプレゼントや日本人コミュニティー向けの宣伝なども同時に行ってブランド認知を広めていきたいです。Shopeeの安井さんからShopee外部広告プログラムの一つとして、Facebookのコラボレーション広告をご紹介していただいたので、こちらもぜひ活用してみようと思います。他には、アフィリエイトマーケティングソリューションにも先日申し込みさせていただきました。 Facebookコラボレーション広告とは? ―Shopeeのデータと連携させて特定の顧客ターゲットに絞ってFacebookやInstagramでの広告配信ができる販促プログラムです。 アフィリエイトマーケティングソリューション(AMS)とは? ―クーポン配布のWEBプラットフォームや価格比較サイト、KOLなどにセラーの商品を紹介してもうプログラム。商品購入に繋がった分のみ費用(数%の販売手数料)が発生するため、広告費用対効果が保証されています。 <Shopee外部広告プログラムの一例: Shopee アフィリエイトマーケティングソリューション(AMS)> ―今後のShopee外部広告プログラムの取り組みが楽しみです。Shopeeに改善してほしい点や、期待している点はありますか。 … Continue reading 株式会社ダイアン・サービス:Amazonでのアメリカ向け販売から、Shopeeで東南アジアへ越境販売にチャレンジ!販促にも積極的な風除けの国内メーカー