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個人で海外販売。英語は必要?取引ノウハウは?輸出販売の疑問に答えます
2022.09.07
海外販売に興味はあるけれど、実際にどうやって販売や運用をすれば良いのかわからない……
英語の必要性や取引ノウハウなど、さまざまな疑問が生じる場合もあるでしょう。
特に個人で海外販売を始めようとする時には、誰に話を聞けば良いのかよくわからないと戸惑う人も少なくないと思います。
本記事では、個人による海外販売において「知っておきたい基礎知識」から「収益率を高める運営のコツ」など、海外販売がはじめての方にもわかりやすく解説していきます。
「海外販売」とは、文字通り、海外に向けて商品を販売することです。
コロナ禍でオンラインショッピングをする人が世界的に急増したため、ECサイトを通じて海外へ商品・サービスを販売する越境EC市場も急拡大しています。
ここでは、海外販売の仕組みや上手な運用のコツを解説していきます。
海外販売では、国内販売と違ってお客様は海外にいます。
お客様の居場所が違うことにより、次のような点が国内販売とは異なってきます。
このような「さまざまな違い」の上に成り立っているのが海外販売です。
なお販売規制やルールは、海外だから必ずしも厳しいとは限らず、日本よりもビジネスのしやすさを感じる国もあります。
海外販売では、お客様の趣味や嗜好も異なります。現地の気候や地理的事情、得意産業の違いなどからも感覚の違いが生じることもあります。
つまり、日本では低く評価されていたものが、海外では意外に高く評価をされることもあるのです。
例えば、ヴィンテージの着物、昭和の古本、畳など、日本では「古臭くてダサい」「沢山あるからいらない」と思われがちな商品。こうした商品は、日本では大衆に見向きもされずに破格の値段で売買されていることもあります。しかし海外では、日本文化への憧れや現地での希少価値から高く評価され、国内販売の時よりも高い値段で売れることもあります。
また、日本の高い技術やこだわりを生かした商品も高い評価をされる場合があります。日本の化粧品、お菓子、カメラやゲームなどのガジェット、日本製の道具なども海外で人気があります。
さらに、保守的な人が多い日本と比べ、海外では進歩的な考えの人も一定数いるため購買傾向も異なります。例えば最近知ったばかりのショップでも、初回から躊躇せずに高額購入をする富裕層もいます。
商品の品質に関しても、日本と海外では捉え方の違いが顕著です。数ミリ程度のスレや毛羽立ち、商品が入っている外箱のへこみなどをクレームとして扱う日本と比べ、海外ではあまり細かいことを気にしない人も多くいます。
このように、お客様が異なれば意外なものが売れるかもしれません。
日本は年末年始、ゴールデンウィーク、お盆などが大型連休となりますが、海外ではこうした休日やイベント時期も異なります。
例えば、海外で年末年始は必ずしも重要な国民イベントというわけではありません。日本の年末年始に匹敵するのは、中華新年、クリスマス、ラマダン明けなど、国や信仰している宗教によって大きく異なります。
重きを置いている休日やイベントが違うため、海外では商品が売れやすい時期も異なるということです。
イスラム教国ではラマダン明けに消費が活発化したり、中華圏では「独身の日」と呼ばれる一大ショッピングデーがあります。日本ではあまり馴染みがない休日やイベントであっても、海外では商品が勢いよく売れる独自の時期があるのです。
当然ながら、海外では使われている言語も異なります。
なお、英語が必ずしもどの国でも通じるというわけではなく、英語が通じにくい国もあります。
例えば、英語教育がまだ全国に浸透していないタイでは、観光地や都市部を除いて英語はほぼ通じません。タイのように、英語よりも母国語が重要となる場合もあるので注意が必要です。
日本人が苦手意識の高い「言語」については、本記事後半でも改めて解説します。
これまで日本では海外からの輸入ビジネスが盛んでした。80年代のデザイナーズ・DCブランドブームをきっかけに輸入ビジネスが活発化したため、さまざまな企業で輸入の経験があり、たくさんのビジネスノウハウが蓄積されています。
その一方で、輸出をともなう海外販売に積極的に取り組んでいる日本企業はまだまだ少数派です。
国境を超えた輸出ビジネスがすでに活発な諸外国に比べると、日本における海外販売はまだまだ成長の途中だと言えるでしょう。海外販売に取り組んだことのない企業が多いため、成長の伸びしろが残されており、今後の成長を続ける可能性の高い市場です。
さらに、海外販売に未着手の企業がまだ多いということは、個人にもビジネスチャンスがあるということを意味します。
それでは、個人が海外販売を行うメリットには具体的にどんなものがあるのでしょうか?
個人なら、大企業にはできないニッチなニーズに対応できます。
特に越境ECでは、実店舗を構えないため最低限の投資からスタートできます。
海外販売を行なうライバルがまだ少ないため、早く始めれば新しい顧客を囲い込みやすいとも言えます。
国内販売と比べて市場規模は桁違いに大きいのに、まだ市場が飽和していません。つまり、今後も大きな成長が続くと見込まれる市場です。
マーケティングやカスタマー対応の過程で、現地の人と交流することもあるでしょう。こうした積み重ねが、国境を超えた人脈づくりのきっかけになります。
コロナ禍でこれまでのように自由に海外渡航できない今だからこそ、越境ECによる海外販売を通じて世界各国とつながるのもひとつの手段です。
海外就職や留学をコロナや円安を理由に諦めた人も多いかもしれません。それなら海外販売を通じて、気になる国とつながってみるのもおすすめです。
最近ではオンラインでの販売方法も劇的に進化しており、ライブコマースなどの交流型販売も人気です。こうしたコミュニケーションツールを使えば、単なるEC販売を超えた人間的な繋がりもできるかもしれません。
個人が販売を行う時、当然ながら人員数に余裕がありません。さらに海外販売となれば、国際配送、輸出手続き、他言語でのカスタマー対応など国内販売よりも一層手間がかかります。
つまり、個人で行う海外販売では、こうした一連の業務を少ない人員で行わなくてはいけないのです。
個人が海外販売を行う際のデメリットには、下記のような点が挙げられます。
仕入れ、出品、他言語でのカスタマー対応、国際配送、輸出手続きなど、すべて個人で行わなければいけません。
EC販売では、ハッキングなどを想定したセキュリティ対策も大切になります。こうした対策も個人で行う必要が出てきます。
長期的にビジネスを成長させるには、日々の業務に追われるだけでなく、情報収集も欠かせません。現地の情勢や消費トレンド、新しいコミュニケーションツールなど……こうした最新情報も個人で積極的に集めていくことになります。
出品、集客、販売、カスタマーサポートなどの過程で、英語や現地の言語が必要になります。英語が不得意でも海外販売で成功している事例もありますが、言語や現地事情に精通した第三者の力を借りていることがほとんどです。言語に自信がない場合は、翻訳サービスやアシスタントを外注する必要も出てくるでしょう。
このように個人による海外販売では業務範囲が幅広いため、個人への負荷が重くなりがちであることがデメリットと言えます。
なお、個人では対応しきれない業務については、外注するのが一般的です。ただ、こうした外注は有料となるため、賢く取り入れないと収益が減ってしまうので注意が必要です。
とはいえ、市場規模が爆発的に拡大している海外市場。市場が飽和状態の日本と比べると、まだまだ圧倒的なビジネスチャンスが残されています。
こうしたビジネスチャンスを活かして、個人が海外販売で利益を出し、さらに収益率を高めていくにはどうしたらよいのでしょうか?
ステップ順に、以下の7つのポイントにまとめました。
ステップ1: 売れそうな商材を選定する
ステップ2: 小さくテストマーケティングしてみる
ステップ3: 越境ECプラットフォームを使ってみる
ステップ4: 国際送料を工夫する
ステップ5: 徹底的に効率化する
ステップ6: 定期的に結果を分析し、仕入れや対応を見直す
ステップ7: 余裕があれば、SNSマーケティングや個人ならではの接客を強化する
海外販売で最も大切なポイントとなるのが、海外で売れそうな商材を見極めることです。
いくら良い商品だと思っても、現地でのニーズがなければ販売で収益を得ていくことは難しいでしょう。
逆に現地にニーズはありそうなのに、まだ海外進出していないような商材なら、ライバルがいないため大きく売上げを伸ばせる可能性があります。
大企業では対応できないようなニッチな商材も、ライバルが少ないという観点から、個人による海外販売にとっては有利となります。
まずは、「海外市場で売れそうだ」と思う商品を幅広く選定してみましょう。後に続くステップで候補を絞っていきますので、最初は幅広い商品選定で大丈夫です。
売れそうな商材の予想を立てたら、次はテストマーケティングをしてみましょう。
仕入れには費用がかかりますので、まずは「小さく」テストを行うことがリスクを最小限に抑えるためのポイントとなります。
出品したい商品を仕入れたら、越境ECを通じて出品してみます。そして仕入れた商品が本当に海外で売れるかどうか、反応を分析していくのです。実際に出品してみることで、どんな商品に反応が良いのか、現地市場のリアルな反応がわかるようになります。
この際、越境ECプラットフォームを利用すると、大がかりな準備を伴うことなく簡単なステップで出品・販売を行うことができます。
例えば、東南アジア市場でシェアNo.1のShopeeなら現地での知名度や信頼も高いため、自社サイトでの出品よりも集客は楽になります。そうすると、売り手は出品と販売に集中しながら販売活動を行うことができるというメリットがあります。
Shopeeなら初期費用がかからないため、「これは海外で売れるかな?」と思う商品があれば、気軽にテストマーケティングを行うことができます。
小さくテストマーケティングをしてみて、「売れるかな?」という予測が「これは売れそうだ!」という確信に変わったら、商品の仕入れと出品の規模を徐々に拡大していきます。
海外販売の運営体制がまだ確立していないうちは、越境ECプラットフォームを使っての販売を継続することがおすすめです。
越境ECプラットフォームを使うメリットは、海外販売が初めての人でも出店から販売までをスムーズに行えるだけではありません。売上げの改善に必要な「データ分析」が容易にできたり、個人だけでは情報収集が難しい「現地の最新情報」や「海外ならではの販売のコツ」など、豊富な情報提供が受けられることにあります。
特にはじめての海外販売の場合は、このようなサポートが受けられることで、無駄な作業が省かれ、売ることに集中した効率的な運営につながります。
越境ECプラットフォームでは、商品が売れた時に販売手数料がかかることがほとんど。しかし、海外販売にまだ慣れないうちは、こうした手数料以上に享受できるメリットがあると言えます。
海外販売につきものなのが国際発送。国際送料にかかるコストは、収益率を左右します。
荷物の大きさや重さ、配送方法や配送会社によって、国際送料は大きく変動します。できるだけ無駄な費用が加算されないように、発送方法を工夫することが収益率アップのためのコツとなります。
国際送料の費用形態を知り、商材に合った梱包方法やサイズ、配送サービスを賢く選ぶようにしましょう。
先述の通り、個人による海外販売では人員に余裕はありません。したがって、日々の業務を徹底的に効率化して販売のサイクルをスピードアップさせることが、収益を高めていくためのポイントです。
効率化のコツは、ツールやテンプレートなどを積極的に活用し、業務を自動化したり工数を減らす工夫をすることです。
よく使うフォーマットはテンプレートを作成しておき手間を省く、手書きの情報管理はできるだけ避けてデータ化する、さらに越境ECプラットフォームを使えば売上げ推移や顧客情報などのデータ管理も効率的に行えます。
海外販売のベースができたら、定期的に結果を分析し、運営を改善していきます。オンラインを通じて行う越境ECでは、販売の過程でさまざまなデータが集まります。
アクセス数、購入率、人気・不人気の商品、顧客の所在エリアなどのデータ分析をすることで、利益率をさらにアップさせるためのヒントが見つかります。
こうしたデータ分析ですが、はじめての海外販売の場合は「何をどう分析すれば良いのかよく分からない」ということも……
そんな時には、越境ECプラットフォームの担当者に相談してみるのもおすすめです。越境ECプラットフォームの担当者は、多くの成功事例を分析しており、収益アップのためのさまざまな情報を持っています。
Shopeeなら、海外販売に対応しているすべての市場(国)出身の社員が日本オフィスに在籍しています。現地出身スタッフならではの知見を活かし、海外販売のサポートをしているので、課題解決のヒントがよりスムーズに見つかるかもしれません。
ステップ6までこなすことができれば、海外販売においてある一定の収益は出ているのではないかと思います。
もし余裕があれば、さらに収益率をアップさせるための施策にもチャレンジしてみましょう。それは、「自分のショップの認知度向上」と「熱量の高いファンの獲得」です。
認知度の向上は、そのまま集客力(=実店舗で言うところの来店者数)となり、熱量の高いファンの獲得は売上げと運営の安定につながります。
例えば、SNSマーケティング。InstagramやYoutubeなどのSNSを活用して自店舗をPRします。商品の使い方のバリエーションを解説したり、すでに販売したお客様からの声や写真を掲載したり。SNSを通じて、新たな見込み顧客の目に留まるような施策を行います。
さらに、個人による販売では、大企業との差別化も生き残るためのポイントです。画一的になりがちな大企業では出来ないような、個人ならではの暖かい接客を心がけるとお客様の記憶に残りやすいショップとなるでしょう。手書きのメッセージを同封したり、ラッピングに一手間加えたり。お客様があたたかい気持ちになれるような対応は、「他ではなく、このショップでまた購入したい」という動機付けにもつながります。
海外市場では、販売者と直接コミュニケーションできるライブコマースの需要も高くなっています。ライブコマースでは販売者のキャラクターが伝わりやすく、ファン獲得のきっかけにもなりやすいことが特徴です。直接交流できるので、現地のお客様の温度感もよくわかり、より近い距離で交流してみたいと思う人にも便利な手法です。
なお、日本人が苦手意識の強い言語については、翻訳サービスを活用するのもひとつの手段です。Shopeeには日本語と現地語で対応できるスタッフが在籍し、翻訳サービスも提供しています。
以上、個人で行う海外販売について、販売に関する基礎知識や収益をアップさせるためのコツなどをご紹介しました。
色々な違いが多い海外販売だからこそ、違いをうまく活かして販売につなげていきたいもの。
販売の現場に即した最新情報が得られる越境ECプラットフォームは、便利な存在だと言えます。初期費用や維持手数料がかからず、困った時に相談できるShopeeは、海外販売を始めたばかりの人にとって心強いサポーター。
現在EC市場が急成長中の東南アジアでEC販売したいと考えているなら、個人での出品に手厚いサポートのあるShopeeの活用がおすすめです。
この記事を書いた人
Natsuko Sakurai
2拠点生活フリーランス。ロンドン、オランダ、スペイン 3ヵ国での在住や現地企業での勤務経験があり、帰国後も海外ビジネスに関わり続けています。コロナ禍をきっかけに、海外にしかオフィスのない現地企業との国際リモートワークが始まったりと、たえず働き方は進化中。