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日本製品の魅力とは?海外での売れ筋ランキングから読み解く最新トレンド
2024.12.11
なぜ日本製品が海外で人気があるのでしょうか?
国内に住む日本人とは異なる視点とニーズがある海外市場。想像以上に、日本製品が海外で高く評価されるシーンが増えています。
着物、富士山、漫画やサムライカルチャーだけではない、日本製品の魅力とは?越境ECサイトShopeeによる独自の売れ筋ランキングデータを交えながら、現代のニーズに即した最新トレンドをご紹介します。
海外からみた日本製品の魅力は大きく分けて、①高品質 ②安心・安全 ③独自の文化、の3つに分類することができます。
例えば「独自の文化」については、これまで着物やサムライカルチャー、漫画などの比較的ニッチなジャンルが代表的だと思われてきました。しかし最近は、食品などをはじめとしたより幅広い消費者層に向けた日本製品のニーズも増えています。
海外の幅広い消費者から日本製品の支持が高まっている理由には、来日した海外観光客が持ち帰ったお土産をきっかけとしたリピート購入、海外に進出する日本製品のバリエーションが増えた、日本製品の認知度が全体的に上がったなどの背景があります。
「海外」と一言で言っても、世界にあるのは195カ国。国や地域によって日本製品の魅力は変わります。
その理由は、各地にいる消費者の価値観が異なるから。多種多様な価値観をもつ消費者が考える日本製品の魅力を一言でまとめようとするのは少し無理があるでしょう。
本章では、多種多様な消費者の価値観を踏まえて、国や地域別に日本製品の魅力を解説していきます。
東南アジアにおける日本製品への評価や信頼は非常に高い傾向です。それはすなわち、日本製品が持つ、安全性のイメージや高品質への評価とも言えます。
というのも、東南アジアでは現地で生産された商品は安全性や品質が定かでないものも多く、内容を偽って販売されることも珍しくありません。東南アジア圏では、「安心」や「安全性」を魅力と考える価値観があり、それが日本製品への評価につながっているのです。
また、紫外線が強い土地柄、紫外線予防やダメージケアに高い効果を発揮する日本の美容化粧品も人気です。東南アジアの消費者は体型や体質も日本人と近いため、身につけるアパレル商品や化粧品なども日本規格のまま流通しやすいというメリットもあります。
東南アジア市場における日本製品の魅力
アメリカにおけるEC市場は非常に大きく、中国に次ぐ世界第2位の規模です。アメリカのEC売上高は2023年に1兆1,370億ドルに到達し、5,980億ドルだったコロナ禍前の2019年と比べると約1.9倍に成長しました。(参考:JETRO 地域・分析レポート)
EC市場規模の大きなアメリカですが、価値観の違いにより東南アジアほどMADE IN JAPANが評価されないケースも多いのも事実です。
というのも、アメリカでは消費者がそもそも安全性や高品質に強いこだわりがないためです。リスクや危険性をできるだけ排除しようとする日本の国民性と比べ、アメリカ人にとって「リスクはあって当然のもの」。
リスクを受け入れ、あまり恐れないアメリカ人にとって、安全性は必要不可欠というより自分の希望に応じて装備する「追加オプション」なのです。ですから、安全にコストをかけられる消費者が「あえて追加で買うもの」という考え方が主流です。(参考:日本と欧米の安全・リスクの基本的な考え方について)
アメリカにおいて日本製品の魅力は比較的限定的ですが、追加料金を払ってでも安全性や品質を求めたい分野では評価が高くなります。車社会で長距離運転が日常的なアメリカでは、車に関する日本製品が人気です。
日本製品の安全性や品質が高く評価される分野
その他には、独自の文化である漫画に関連したグッズなども一部の消費者に人気があるでしょう。
アパレルなどの身につける商品においては、日本人と欧米人の体型差があるため、なかなか浸透させにくいという課題もあります。
人口の多さもあり、世界におけるEC市場規模が第1位の中国。市場規模は非常に大きいのですが、政治や政策の急激な変更が起きがちで、政治によって情勢が大きく左右されやすいリスクの大きな市場でもあります。
近年人口減少が始まった中国では、民営企業に対する政府の規制強化や不動産をはじめとした先の見えない不況などの複数の要因が、経済成長率を押し下げています。
JETROが日本企業に向けた最新調査によると、中国ビジネスに対する意欲は過去10年で最低となりました。(参考:2023年度 ジェトロ海外ビジネス調査 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査)
情勢によって左右されやすい中国市場ですが、中国では東南アジア同様に生産時の不正や粉飾が多いため、日本製品の安全性や高い品質が高く評価される傾向にあります。また、美容意識も高いため、機能性の高い日本の美容機器や化粧品なども人気があります。
越境ECに限らず、日本を訪れた中国人観光客がドラッグストアなどで日本の化粧品やコスメグッズを大量購入する様子が記憶に残る人も多いのではないでしょうか。
中国は、日本製品の魅力が高く評価されている巨大市場ですが、政策が大きく急変しがちです。参入には大きなリスクを伴う市場でもある点に注意が必要です。
ここからは、東南アジア・台湾最大級の越境ECサイト、Shopeeによる最新版の売れ筋ランキングから読み解く日本製品の魅力です。
今回は、①人口が多く市場規模の大きなフィリピン、②日本語が通じやすい台湾、③国民の平均年収が日本よりも大幅に高いシンガポールの3市場に着目します。
Shopeeが展開中のこれらの国々で、売れ筋ランキングの上位となった日本製品を紹介します。
(参考データ:Shopee 2024年上期 人気商品ランキング )
現時点のできるだけ正確な情報提供を心掛けておりますが、本記事はあくまで参考資料となります。Shopeeおよび執筆者は利用者の確認不足によって発生したいかなる損失に対しても責任を負いかねますのでご了承ください。
本記事で提供している情報は、利用者の判断・責任においてご参照ください。 |
南国フィリピンでは、機能性の高い日本の美容品が人気です。成分たっぷりで気になる箇所を集中的にケアする美容関連の日本製品がランクインしました。
人口1億1730万人、日本に次いで人口の多いフィリピンでの越境ECの規模は大きく、今後の可能性にも期待が高まる市場です。
【人気商品】
ロート製薬 メラノCC
しみ・そばかす、ニキビ、皮脂分泌などの肌の悩みをケアする医薬部外品。Wのビタミン成分と3種のビタミンC誘導体配合の濃密なテクスチャー。
出典:https://www.shop.rohto.co.jp/category/skincare/melanocc/169658.html
https://www.shop.rohto.co.jp/category/skincare/melanocc/168583.html
ライオン ペアアクネクリームW
大人ニキビの炎症を鎮めアクネ菌を殺菌して、集中的に治療する塗り薬。
出典:https://pair.lion.co.jp/products/cream/
資生堂 fino プレミアムタッチ 濃厚美容液ヘアマスク 230g
日本国内でもロングセラー商品として人気の高機能ヘアマスク。ダメージを受けた髪を集中ケア。
出典:https://brand.finetoday.com/jp/fino/mask/
新日大国、台湾では現地にあるお店にも既にたくさんの日本製品が溢れています。ですから越境ECにおいては、現地で手に入らないレアな日本製品が人気となる傾向です。なかでも幅広い消費者に人気があるのが、日本の食品。
日本を訪れる人も多い台湾では、日本旅行のお土産をきっかけに日本製品をリピート購入する人も多くいます。50年間続いた日本統治時代の影響で、日本語のわかる台湾人も多いので越境EC初心者も参入しやすいおすすめの市場です。
【人気商品】
Calbee じゃがポックル 10袋入り
じゃがポックルはカルビーの千歳工場のみで生産されている、北海道限定の商品です。
出典:https://shop.calbee.jp/marche/shop/pages/lp-jagapokkuru.aspx#buy
一蘭ラーメン
天然とんこつラーメン専門店として有名な一蘭は、台湾にも実店舗があります。
出典:https://www.ichiranstore.com/shop/g/g9699004/
ニッピコラーゲン100
明治時代から続くニッピが開発した、サッと溶けやすく体内に吸収されやすい低分子コラーゲン100%の粉末。
出典:https://www.nip-col.jp/item/8100.html
シンガポールでは、他国と比べて機能性をより重視した商品が人気ランキングで目立ちます。徹底した実力主義で知られるシンガポールでは、越境ECにおいてもブランド名より日本製品の実力が評価されているようです。
アパレル、食品、美容化粧品など幅広いジャンルで日本製品が購入されています。
【人気商品】
LECIEN クロスメッシュ ワイヤレスブラ
吸汗速乾、暑い日も蒸れにくく軽い付け心地のワイヤレスブラジャー
出典:https://store.wacoal.jp/disp/01_BLC077.html
京都・宇治産 抹茶パウダー 100g(ノーブランド)
無添加、着色料不使用の抹茶パウダー。抹茶ラテやケーキづくりにも使え、安心・安全な食を求める人に人気。
出典:https://store.shopping.yahoo.co.jp/ichinoen/kyoto-uji100.html?sc_e=ad_listing_gpmax_maxg&gad_source=1&gclid=CjwKCAiA6t-6BhA3EiwAltRFGLgmnUawkdtvJs7PssB83RyGxtnBLwpQZXKrKl_MpUq44ZrEfNpB6BoCNmAQAvD_BwE
樹の恵 足リラシート 30シート
寝る前に足の裏に貼るだけで、竹樹液パウダーの給水力によって不要な水分をしっかりケア。
出典:https://kinomegumi1.shop-pro.jp/
日本企業を対象に行ったJETROによる海外ビジネス調査によると、ECを利用または検討中の企業のうち、53.6%が海外向けの販売でもECを活用/検討中でした。さらに、具体的な海外への販売方法として最も多かったのが越境ECの36.8%という結果になりました。
つまり、すでにECを活用している企業にとって、越境ECへの横展開もしやすいと言えるのではないでしょうか。
さらに企業規模別の調査では、大企業よりも中小企業の方が越境ECを活用した販売割合が高くなるという結果になりました。こうした調査結果から、予算や人材などのリソースに限りがある中小企業でも、初期投資を低く抑えられる越境ECなら海外進出のチャンスを掴みやすいと読み取れます。
(参考:2023年度 ジェトロ海外ビジネス調査 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査)
以上、世界を舞台にした日本製品の魅力についてさまざまな角度からご紹介しました。なかでも東南アジアは、幅広いジャンルにおいて日本製品への評価が高く、魅力を最大限に発揮しやすい市場です。
世界的なEC市場の拡大にともない、企業規模の大小を問わず、ますます参入しやすくなっている越境EC。東南アジア・台湾市場で最大級の越境ECサイトShopeeなら、越境販売に役立つ情報提供や日本語のサポートも充実しています。
日本製品の魅力を打ち出し、新たな海外マーケットを開拓するなら、今後もさらなる発展が期待される東南アジア市場へ越境ECで参入するのはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
Natsuko Sakurai
2拠点生活フリーランス。ロンドン、オランダ、スペイン 3ヵ国での在住や現地企業での勤務経験があり、帰国後も海外ビジネスに関わり続けています。コロナ禍をきっかけに、海外にしかオフィスのない現地企業との国際リモートワークが始まったりと、たえず働き方は進化中。