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なぜ売れる?日本のお菓子の海外販売、少し意外な売れるポイントも解説
2024.02.28
日本から海外へ向けた越境ECの売れ筋ジャンルとして、必ずといっていいほど話題に上がる日本のお菓子。日本のお菓子を海外販売し、大きく売上を伸ばしている企業がいることも事実です。
なぜ日本のお菓子が海外から注目されているのでしょうか?そして海外販売で売れるポイントとは?
本記事では、日本のお菓子の海外販売において、売れるポイントや売れ筋の商品をご紹介します。
日本のお菓子や雑貨を越境ECで販売している株式会社ICHIGO。2015年に創業した同社は日本のお菓子を海外販売するサブスクリプションサービスを開始し、創業から6年で年商40億円を突破しました。
2021年の中小企業白書によると、個人・法人を合わせてもっとも一般的な年商規模(中央値)は、1500万円。これは年商1500万円が日本における分布が1番高いということを意味します。また、法人だけのデータを見ても、年商規模の中央値は5900万円。年商40億円という規模がいかに桁違いか、お分かりいただけるのではないでしょうか。
リクルートで通販事業に携わっていたICHIGO創業者の近本あゆみさん。お菓子を主力とした越境ECを立ち上げたきっかけは、銀座で日本のお菓子を爆買いする外国人観光客の姿を見たこと。日本のお菓子は海外の消費者に需要があると確信し、現在のような海外販売モデルを確立しました。
同社では日本のお菓子や雑貨を販売し、コロナ禍初年度の2020年には売上が前年比3倍に急成長。海外市場における、日本のお菓子の可能性と需要をしっかり捉えることに成功しました。
この大成功の背景には、世界各国で日本のアニメや日本食ブームが巻き起こり、日本に関心を持つ外国人が増えたことも追い風になったようです。
それでは、なぜ日本のお菓子は海外で評価が高いのでしょうか?
日本の菓子が海外販売で人気となっている理由は主に下記の6つです。
日本の商品の強みとも言える「品質へのこだわり」が海外では高く評価されたり、海外のお菓子にはない可愛らしいデザインやキャラクターが独自の魅力になっているようです。
また、越境EC市場が急拡大したことにあるお菓子市場全体の拡大や、コンパクトで長期間の保存がきくお菓子は海外発送にも適していることも大きな理由です。越境ECが初めてでも、お菓子は比較的取り扱いがしやすい商材だと言えるでしょう。
それでは、ここからは実際に越境ECでよく売れた日本のお菓子をご紹介します。
本記事で取り上げるのは、越境EC市場規模が急拡大中の東南アジア。日本からの距離も比較的近く、親日的な人も多い同エリアでは、日本へ観光で訪れる人も多くいます。また近年の経済成長の勢いも凄まじく、購買力が高まっていることも特徴で注目の市場です。
東南アジアに向けた海外販売で、実際に人気となった日本のお菓子は何だったのでしょうか?東南アジア・台湾圏における越境ECプラットフォームとしてトップシェアを誇るShopeeの売れ筋商品をピックアップしてご紹介します。
Shopeeの2023年8月〜11月における海外販売動向において、東南アジア各国で人気のあった日本のお菓子は下記の通りです。
出典:https://shop.ishiya.co.jp/collections/shiroi-koibito
人気の国:シンガポール、マレーシア、タイなど
北海道行きの機内食となったことがきっかけで、外国人観光客への知名度が上がった白い恋人。ラングドシャとホワイトチョコレートの絶妙な組み合わせも人気の理由です。
出典:https://www.rokkatei-eshop.com/store/ProductDetail.aspx?pcd=10048&ccd=F3000514
人気の国:タイなど
北海道を拠点とする六花亭は1933年創業の老舗菓子メーカーで、北海道定番のお土産としても有名です。ホワイトチョコレートとレーズン、北海道産生乳100%のバターをあわせたクリームを独自の小麦粉でつくったビスケットでサンドしたバターサンドが人気です。
出典:https://shop.calbee.jp/marche/shop/g/gMR21001/
人気の国:シンガポールなど
北海道限定商品の「じゃがポックル」は、北海道産の皮付きじゃがいもを独自の製法で加工し、サクサクした食感とじゃがいも本来のうまみを味わえるお菓子。北海道サロマ湖産の焼き塩でほんのり塩味に仕上げ、どなたでも食べやすいお菓子であることも特徴です。
人気の国:マレーシアなど
ハローキティなど数々の人気キャラクターを生み出してきたサンリオで、現在1番人気のキャラクターと言われる「シナモロール」。海外からも人気で、シナモロールのキャラクターと関連した日本のお菓子も売れ筋です。
出典:http://www.reikajapan.jp/item/424.html
人気の国:タイなど
雪が降らない南国タイでは、雪への憧れが強く、「北海道」という地名もブランド力があります。ノーブランドですが、商品名に「北海道」の名称がついているこのお菓子もタイを中心に人気となりました。
人気の国:タイなど
蜂蜜とゴルゴンゾーラ、ショコラとマスカルポーネチーズなど、特徴のある素材同士を独自の組み合わせで提案する東京ミルクチーズ工場のお菓子。他ではあまり見られない独自の風味が人気の理由です。
上記に挙げた人気の日本のお菓子。なぜ売れたのか分析すると、次のような理由が浮き彫りになりました。
ポイント1: お土産としてよく買われるお菓子(白い恋人など)
ポイント2: 海外でまだ発売されていない最新のお菓子(地方限定品、期間限定品も含む)
ポイント3: 雪国への憧れ、北海道ブランド
白い恋人やマルセイバターサンドなど、日本土産として外国人観光客によく買われるお菓子は海外での知名度が高いので、幅広い消費者層に人気です。
また、日本好きな人にとって海外で見つけることのできない最新のお菓子を見つけられるのも越境ECを利用する楽しさでもあります。地方限定品、期間限定品などのレア商品も心を揺さぶられることが多いでしょう。
そして、ポイント3の「雪国への憧れ、北海道ブランド」は雪が降らない東南アジアならでは。雪を見るためにわざわざ冬の日本を訪れる東南アジアの観光客も多く、北海道への憧れがそのままお菓子の人気にも直結していると伺えます。
今回は2023年度のデータを元に人気の商品とその理由をご紹介しましたが、売れ筋商品は日々変動するため、最新のトレンド(現地のニーズやインフルエンサーの動向)などを掴んでおくことも大事です。
前述のICHIGOが、海外観光客による爆買いをきっかけに事業を立ち上げているように、来日観光客が多い国では、お土産購入後のリピート買いも珍しくありません。海外観光客が日本でどのような購買傾向があるか分析すれば、越境ECの新たなチャンスが掴めるかもしれません。
海外で高い人気を誇る日本のお菓子。日本のお菓子を海外販売する方法を下記にまとめました。
ゼロから自社サイトを立ち上げ、独自のECショップを海外販売に対応させる方法です。
サイトのデザイン、導線、決済方法などの自由度は高いことが特徴で、消費者に自社の世界観を強くアピールすることができます。
一方で、構築までの時間がかかることや、商品購入までに必要なプロセスをすべて自社で翻訳しなければならず、準備に手間がかかる側面もあります。
すでに自社ブランドが確立している大企業には最適ですが、人材や予算などが限られる中小企業や越境ECが初めての企業には大きな負担があります。
BASEやSTORESなどの日本のプラットフォームを利用してECショップを立ち上げ、それを多言語対応させる方法です。
ECショップを立ち上げるまでは国内向けECと同じプロセスで、日本語で手順を踏めることもメリット。しかし、商品販売に必須の決済手段は現地に対応したものに設定する必要があります。
一言で海外販売と言っても、現地のニーズは国によって様々で、よく使われている決済手段も国やターゲット層によって大きく異なります。日本のECプラットフォームでは多言語対応が広がってきていますが、商品が売れた際の決済手段なども現地の需要にマッチしているか注意が必要です。
また、越境ECにおいて欠かせない広告運用は、自分で現地の動向を調査して行う必要があります。
Amazon、eBay、Shopeeなど、海外の越境ECプラットフォームを利用して海外販売を行う方法です。
これらの大手越境ECプラットフォームでは、現地のニーズに合わせたシステムを日本のセラーでも使えるようにしている場合がほとんど。そのため、プラットフォームに付随する決済手段や広告方式などが現地のニーズに合わせて最適化されていることも特徴です。
事前の準備にあまり時間や予算をかけられない、細かな運用方法に不安や疑問がある……という場合は海外の越境ECプラットフォームを使えば業務を大幅に効率化できます。
以上、日本のお菓子の海外販売について、人気の理由、売れるポイント、そして実際に販売を始める方法までご紹介しました。
東南アジア・台湾向けの越境EC販売において最大規模を誇るShopeeでは、自社のノウハウに基づき現地のニーズに即した売れ筋データなどもセラーに公開。セラーとして登録すれば、Seller Education Hubやウェビナーなどを無料で利用でき、最新の海外販売動向を知ることができます。
Shopeeは、日本からシンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、台湾の5つの市場に出店でき、初期登録費用は無料です。まずは下記のバナーからセラー登録してみては。
この記事を書いた人
Natsuko Sakurai
2拠点生活フリーランス。ロンドン、オランダ、スペイン 3ヵ国での在住や現地企業での勤務経験があり、帰国後も海外ビジネスに関わり続けています。コロナ禍をきっかけに、海外にしかオフィスのない現地企業との国際リモートワークが始まったりと、たえず働き方は進化中。