Resources
コラム
コラム
海外販売の価格設定、利益を最大化させるためのポイントを解説
2024.06.26
海外販売における価格設定は、ノウハウやまとまった情報が少なく、どこかわかりづらいと感じている人も多いはず。
国内販売にはない手続きや費用もかかる海外販売では、事前に戦略をきちんと立てないと「売れたのに利益が思ったより出なかった」となりかねません。
本記事では、国内販売との違いや注意すべきポイント、そして海外販売における価格設定の実例などを取り上げます。
海外販売の価格設定でつまずきがちなポイントを中心に、利益を最大化するためのポイントを解説していきます。
海外販売における価格設定は、国内向けとは異なります。
それは、なぜか?
主な理由は、国内販売にはない運用コストがかかるためです。こうしたコストを勘案せずに、国内販売と同じように価格設定を行うと、海外販売では利益を出すことが難しくなるでしょう。
本章では、国内販売との違いをコスト面から解説します。
海外販売では、国内と違って商品が国境を超えて長距離移動します。
そのため、国境を超えるための通関などの書類手続きや関連した人件費も必要となります。
さらに、島国である日本からの輸出は船か航空機の利用が必須です。ですから、湿気や気圧に耐えられるような梱包をしたり、さまざまな業者の手に渡っても商品がダメージを受けないように緩衝材などの活用が欠かせません。
① 輸出手続きに関する費用
通関書類などの書類作成、関連する人件費
② 海外輸送
国内輸送よりも費用がかかる
③ 梱包材
国境を超えて長距離移動するため、商品保護を目的とした緩衝材などの梱包材も必要
次に考慮すべきなのは、自社の海外対応レベルです。海外販売では、英語などの言語が必要となるため、販売先のニーズに合わせた対応を自社でどれだけできるかによって必要なコストが上下します。
自社の海外対応レベルによって、コストが変動する主な項目は下記となります。
① 翻訳
商品説明、カスタマーサービス、輸出手続きなど、商品を販売してから実際に海外のお客様に手元に届くまでには色々な英語(または現地で話されている言語)での対応が必要となります。
英語などを話せるスタッフがいれば自社で業務を完結できますが、いない場合は翻訳や輸出手続きなどを外注することもあるでしょう。
利益を出すためには、こうした費用も海外販売の価格設定に反映させるべきです。
② 対応外注費
海外で販売するということは、適用される法律も異なるということ。
販売する商品によっては、許認可申請やラベル表示等への準拠が必要だったり、許可申請を行うための事前調査が必要かもしれません。
ですから、海外販売では、販売国の法律に準拠するための手続きや申請にも対応しなくてはいけません。
これらをどこまで自社で対応できるのか?自社の海外対応レベルによっては、専門家に外注したほうが早くて効率的ということもあるでしょう。
このように、海外販売では国内販売にはないコストがかかるため、国内と同じ価格設定というわけにはいきません。利益を出すためには、輸出貿易にかかるコストだけでなく、自社の海外対応レベルに応じたコストも加味して最適な販売価格を考えましょう。
こうした費用を加味しながら販売価格を設定しないと、輸出をしたものの実利益はいまいち……といった事態に陥りかねません。
国内販売にはないコストがかかる海外販売では、商品を出品してからお客様の手元に届くまでの全てのプロセスを注視する必要があります。
海外販売における価格設定の難しさは必要コストだけではなく、商材や販売国によっても売れる価格が異なることです。海外における価格設定は、日本よりもばらつきがあると言えるでしょう。
日本から海外に向けて販売するのは、日本製もしくは日本ブランドの商品が多いと思いますが、販売先によって日本の商品の認知度やニーズが大きく異なります。
ですから、販売先のマーケットでの現実的な商品価値を知ることは大切です。というのも、いくら魅力的な商品だったとしても、最終的に商品が売れなければ自社の収入は確定しないからです。
下記の項目における、商品価値やニーズ、認知度を分析して最適な販売価格を考えることも大切です。
① 販売国における商品価値、ニーズ、認知度
② 販売国のターゲット層における商品価値、ニーズ、認知度
③ 販売国の狙うターゲット層における競合他社の販売価格
前の章で、海外販売には国内販売にはないコストも価格に含む必要があるとお伝えしましたが、市場調査を行い現実的な販売価格を知ることも海外販売ビジネスを継続・拡大していくために重要なポイントとなります。
ここからは、いよいよ海外販売における価格設定の実践編。
輸出に必要なコストを算出し、自社の海外対応レベルに応じたコストも把握、さらに販売国における現実的な販売価格のイメージもついてきた……。その後に忘れてはならないのは送料やプロモーション、販売にかかる各種手数料を加味することです。
東南アジア・台湾市場において最大級の越境ECモール、Shopeeによる具体的な価格設定のノウハウをお伝えしていきます。
本記事で提供している情報は、利用者の判断・責任においてご参照ください。
現時点のできるだけ正確な情報提供を心掛けておりますが、本記事はあくまで参考資料であり、Shopeeおよび執筆者は利用者の確認不足によって発生したいかなる損失に対しても責任を負いかねますのでご了承ください。 |
商品を海外販売する場合、これまでのShopeeの販売ノウハウをもとに推奨されている価格設定の方法は下記となります。
海外販売において、送料や割引プロモーションは受注率をアップさせるための大きな鍵となります。
これらの自社負担額も販売価格に反映して利益を確保することが、継続的なビジネス成長のためのコツです。
基本的に、販売価格は送料を上乗せして設定します。ただ、Shopeeでは送料リベートと呼ばれるShopeeが送料を一部負担するプログラムがあります。
ですから、送料リベート分を差し引いた送料を販売価格に加算します。
*Shopeeではサイト上での価格設定後、7日間は価格の変更ができません。ご注意ください。
Shopeeでは、販売を促進するための割引設定(ディスカウント・プロモーション)が充実しています。割引券となるバウチャーやまとめ買いを促進するバンドルディールなどのさまざまなプログラムを展開しています。
価格設定の際には、こうした割引設定で値引きされることを想定して、割引される金額を販売価格に加算しておきましょう。割引分を加算しておけば、割引された後も利益を確保できます。
販売価格 = (商品価格+ 実際の送料 ー Shopee送料リベート)+割引分を加算(+必要に応じて各種手数料分*) |
* 販売手数料など、必要に応じて加算します。この際、設定した販売価格が現実的に売れそうな価格になっているかどうか確認しましょう。
* Shopeeでは、各種販売キャンペーンに参加する際にバウチャーやバンドルディールの設定が必須条件となる場合があります。販売を最大化するために、これらの割引設定をデフォルト設定しておくことが推奨されています。
「販売価格の設定方法が分からない」とお悩みの声も多いもの。
Shopeeでは海外販売における価格設定に悩むセラーに向けて、簡単に価格計算ができるオリジナルの「価格計算表(Price tool)」を公開しています。
指定された数値を入力するだけで手数料や送料を含めた価格が簡単に計算できるので大変便利です。
新規出店や商品を新規出品する時にご利用ください。
◾️対応マーケット(販売国)
◾️利用対象
◾️利用方法
<<ビデオはこちらから>>
◾️価格計算表(Price tool)
*価格計算表はコピーしてご利用ください。アクセス権のリクエストはできません。
すでに海外販売中の商品があり、他国でも新たに出品したい時にご利用ください。新たに出品するマーケットでの通貨や手数料を含めて簡単に価格設定ができます。
現在の販売価格を元に、手軽に他の市場で使える価格設定が行えます。
◾️対応マーケット(販売国)
◾️利用対象
既に対応マーケットで開店・出品していて、出品中の商品を他の対応マーケットでも販売したいセラー
例)シンガポールで既にショップを開店・出品していて、マレーシアやフィリピンで現地通貨に対応した販売価格を算出したい
◾️利用方法
<<ビデオはこちらから>>
価格計算表(Price Tool)
*価格計算表はコピーしてご利用ください。アクセス権のリクエストはできません。
現在、Shopee Japanでは新たにショップアカウントを開設されたセラーに向けて各マーケット、1ショップ目開設から90日間、販売手数料が無料となるサービスを提供中しています。
販売手数料が無料の特別な90日間にオープニングキャンペーンとしてお得な価格設定をすれば、訪問者の増加や初めてのオーダーも狙いやすくなります。
*このプログラムは予告なく変更・終了となる場合があります。必ず最新情報をご確認ください。
海外販売において送料はオーダー率を左右する重要な要素です。
Shopeeでは販売を促進するため各オーダーごとに送料を負担し、購入者の送料負担を軽減しています。
Shopeeが展開する各マーケットにおける送料リベート額は下記の通りです。
◾️シンガポール
1.83SGD ≒ 208JPY
◾️台湾
Shopee Logistics Service(SLS)を利用する場合:45 TWD ≒ 214JPY
その他の配送方法の場合: 100 TWD ≒ 476JPY
◾️マレーシア
Shopee Logistics Service(SLS)を利用する場合:
Zone A: 4.9RM ≒ 158JPY
Zone B & C: 8.00RM ≒ 258JPY
*重量帯によってリベート金額が異なります。
◾️タイ
80THB ≒336JPY
◾️フィリピン
Zone A: 50PHP ≒135JPY
Zone B: 70PHP ≒189JPY
Zone C: 100PHP ≒270JPY
*為替レートは2024年4月18日現在
送料リベートについて、その他詳細はこちらをご確認ください。
* 購入者の送料が無料となるFree Shipping Program に参加する場合は送料リベートは適用されません。
以上、実際の事例を含めて海外販売における価格設定のポイントを解説しました。
最後に注意しておきたいのは、海外販売では最新の状況に応じて価格設定にも柔軟性を持たせることです。
為替変動、燃料費の高騰、規制の変更など、海外販売ビジネスを取り巻く環境は刻々と変化しています。チャンスの大きな海外販売ですが、利益を最大化させるには国際情勢に応じて柔軟に対応することも重要です。状況は変化しているのに、販売価格が更新されないままだと利益が出ないこともありえます。
変化のスピードが早い海外販売では、国際情勢の変化を常にキャッチしておくことが成功の鍵となります。
しかし、日々の実務が忙しく、情報収集までなかなか手が回らない……。そうお悩みの企業でも、越境ECプラットフォームを活用すれば、競合他社の価格調査もラクラク。販売国のターゲット層に向けた最適な割引クーポンや広告などのプロモーションプログラムも提供されています。
自社ですべて行おうとするよりも、越境ECプラットフォームを上手に活用すると、大きな負担なしに最新の情報収集が行えるのでおすすめです。
個人や中小企業のセラーも多く、きめ細かなサポート体制が魅力のShopeeでは、無料セミナーも充実しています。円安も後押しもあり、販売チャンスの大きな海外販売。最新の情報も得られるShopeeにまずは無料登録してみては。
この記事を書いた人
Natsuko Sakurai
2拠点生活フリーランス。ロンドン、オランダ、スペイン 3ヵ国での在住や現地企業での勤務経験があり、帰国後も海外ビジネスに関わり続けています。コロナ禍をきっかけに、海外にしかオフィスのない現地企業との国際リモートワークが始まったりと、たえず働き方は進化中。