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セラー事例
今回は、2020年よりShopeeに出店されているBrandearさんより取材の機会をいただきました。アカウント担当のShopee川田、代表の村松と、Brandearの佐藤唯様、BeeCruiseの岩本様と佐藤秀伸様へインタビューさせていただきました。扱っている商材ならではの難しさや、どのように課題を克服されたのかについて伺ってみたいと思います。
<右から順に、Brandear佐藤唯様、Shopee川田、BeeCruise佐藤秀伸様、岩本様>
佐藤唯様:Brandearは宅配買取によるブランド品買取事業としてマーケットを拡大してきました。箱に詰めて送るだけという手軽さもありまして、ハイブランドだけではなくて、カジュアルブランドやデザイナーズブランド、またアウトドアブランドなど、他社さんより幅広いアイテムのブランド品の買取をさせていただいております。累計で400万人以上にご利用いただいておりまして、2020年から大切なお品物は対面で買取をして欲しいというお客様のニーズに応え、オンラインのほか店頭での買取も強化しております。一方、販売に関してはほぼオンラインで完結しております。自社サービスである「Brandearオークション」のほか、国内の主要サイトや海外の様々なマーケットプレイスに出店しております。
佐藤唯様:主流はオンラインで行っておりまして、店舗では買取がメインとなっております。ただ、現時点で全国に14店舗があり、その中で3店舗(池袋西口駅前店、神戸元町店、銀座店)だけは店舗で展示販売という形で行っております。海外からの需要ももちろんありますので、インバウンドの方が来られて店舗で購入されることも増えてきています。
Shopee川田:現地でBrandearさんのShopeeのショップを見て、日本で店舗に来られた方もいらっしゃるんですか。
佐藤唯様:それは強化したいと思っていて、オンライン購入だけじゃなくて、日本に来たついでにあそこにBrandearがあるから行ってみようよという流れが生まれるように銀座店や神戸店という海外の方が来る店舗でを免税対応を開始しました。RED(小紅書)とかWeiboとかそういったSNSやShopee経由でBrandearを知っていただいて、日本に来たついでに店舗で実際に商品を見てみようかなということが実現できればすごく良いなと思っています。
Shopee川田:そうですよね。今インバウンドが戻ってきていて、Shopeeとしても日本で商品を見て、国に帰った時にリピーターとしてShopeeの日本越境で購入するといったお客様が増えたら良いなと思っています。
佐藤唯様:自社販路のBrandearオークションに関しましては、実店舗がある強みを活かしています。すごく高額な商品はオンラインで見るだけで購入するのは怖いと思うんですよね、なので、現在は取り寄せサービスを行っておりまして、いくつかの店舗に商品を取り寄せて店舗で実物を見ていただいて購入を検討いただくというサービスをしております。
海外販売の方はオンラインで、特にラグジュアリーバッグなどの海外で需要が高いものを中心に販売しております。2021年の10月から12月のShopee台湾の中古ブランド品バッグ部門ではその当時の売り上げで新記録を出させていただきました。ありがとうございます!
岩本様:国内販売と海外販売の明確な違いについて、国内は幅広い買取を実現してアパレルも含めて本当に幅広い商品対応をしているんですが、海外の場合は特に需要の高いハイブランドのバッグ類を中心に展開しているというところが、商材としては明確な違いだと思います。
一方でShopeeさんの東南アジア圏ですと日本の方達と体格が似ていたりもするので、アパレル需要もあるだろうというところでアパレルを一部出していたりもするんですが、それはShopeeさんの特徴かなと思っています。
佐藤唯様:Shopeeさんを始める前は北米とヨーロッパをメインに販売しておりました。今後、海外で拡大していきたいというタイミングで、やはりアジア圏をとっていくのであればShopeeさんということで、出店にいたりました。BEENOSグループのBeeCruiseの方でShopeeさんの販売支援が2019年からスタートしたため、グループのシナジーとしてスピーディに出店まで辿り着けたという経緯がございます。
Shopee村松:ひと昔前だと中国の越境ECが盛り上がって、少しずつ違うエリアに拡大してきたんじゃないかなと思うんですけど、台湾とか東南アジアにまだ勢いは感じられてますか?それともまた違うエリアもいま盛り上がってきているなという実感はありますか?
岩本様:台湾と東南アジアは以前から多くの企業さまがすごいポテンシャルを感じているんだろうなと思っていて、ただやっぱり探り探り感はあるなと思います。可能性として感じている部分は、日本にインバウンドが復活して、元々東南アジアと台湾のお客様ってすごく多く日本にお越しいただいていたので、日本の商品の親和性を感じているというのが企業様の中で体感としてあるのと、中国と比較するとまだまだブルーオーシャンの領域でもあるので入りやすいというのはあるのかなと思います。
<ブランド品の保管倉庫>
岩本様:2019年からShopeeさんと出店支援をさせていただいているんですが、そのなかでグループ会社であるBrandearがShopeeに出店することになり協同しております。役割としては元々弊社が提供しているサービスが企業様の代わりにアカウントを作ってShopeeに出店をすることと、店舗運営に必要なカスタマーサポートや国際配送を全て弊社がやらせていただいております。それに加えてBrandearの場合、1SKUあたりの在庫が1個とか、リユースならではの在庫管理やショップの仕組みが難しかったので、そこは今Brandearと一緒に作っている形ですね。
Shopee川田:いまBrandearさんは3マーケットに出店していただいてると思うんですけど、マーケットによってブランドのニーズだったり、カスタマー対応のオペレーションが違っていたりとかありますか。
佐藤秀伸様:カスタマー対応に関して、高額商品は関税に懸念点が出てくるので、高額の場合はユーザーに対して確認はかけています。台湾の場合、年に何回以上買っていくら以上になった場合に関税が発生するみたいなルールがあって(※)、手続きの正確性には細心の注意を払っています。人気のブランドはルイ・ヴィトン、シャネル、グッチ、エルメス、コーチ、セリーヌ、ロエベなど、日本とあまり変わらない印象です。一方でちょっと日本と少し違う点がアパレル関係で、日本のデザイナーが人気でよく売れているという風に聞いています。台湾のデパートで催しもあったりして、台湾では結構認知されていることが背景にあるようです。
Shopee川田:日本ではブラックやブラウンなどのベーシックカラーが人気だと思うんですけど、台湾ではビビットな色のものを試しているとか、マーケットによってテイストの違いはありますか。
岩本様:Brandearで年に1回、全販路含めたランキング発表を実施していまして、基本的にはベーシックなカラーがどのエリアでも人気なんですが、日本に比べて海外の方が有彩色の物の方が動きやすいのはありますね。中国とかアジア圏の方が赤いものだったり、色の明るいものが売れやすいというのはデータとしてあるので、グローバルで売ることで日本で売れない商品も海外で売っていけるような体制を作っています。
佐藤唯様:私も実際に海外営業をする中で、砂漠地は緑が少ないから緑の物を恋しくて付けると言うことをサウジアラビアやドバイ出身の方が話していたので、結構国によって需要が違うのかなと思います。
Shopee川田:そうですよね、中華圏の方は赤やゴールドが凄い好きって言うのがあって、ベビー服とかでも日本だとあまり赤ちゃんにそういうパッとした色は着せないじゃないですか、でも台湾ではそういった色が人気だったりとマーケットによって特徴があるのが面白いなと思っています。
(※台湾の小口通関制度について:https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-090910.html)
佐藤唯様:まず日本の中古ブランドは品質的に信頼性が高いんです。Brandearでは正確な査定や適正な価格設定を大事にしており品質の部分も押し出しているので、高額なブランド品でも安心して購入されています。そこが高額商品を買われる優位性に繋がっているなと思っております。一方、注意点は結構ありまして、高額商品は海外から買われると関税がかかるんですね。高ければ高いほど税金は上がっていくので、トラブル防止のために事前にお客様とコミュニケーションを取ることや、期待して購入いただくので品質を大切に保つというのは私たちの義務だと思っております。倉庫にも高額商品だけを検品したり保管する場所を設けておりまして、品質を保つ努力をしております。
Shopee川田:リスティングに載っている写真以外で例えば購入者の方が違った角度から見てみたいとか、高額商品でもうちょっとイメージやサイズ感が分かる写真を見たいということがあると思うんですけど、そういったお問い合わせもいただくんですか?
佐藤秀伸様:そうですね。CSの方で担当しているんですけど、ユーザーはコンディションに対して結構厳しい目をしていて、要望が来た時にはBrandearの方にもう一回写真をとってくださいという形でやりとりをしているんですけど、見れば見るほど、「じゃあこっちの角度は?」と細かく見てくるユーザーが多いという印象があります。やはり高額な商品を買うとなるとユーザーにとっては不安な部分があったりもします。
佐藤唯様:そういった部分でいうとライブ配信はより商品を見せられるきっかけになるのかなと思っていて、高額商品に限らないんですけど、例えばルイ・ヴィトンの商品の底がみたいとか、中開けてくださいとお客様にコメントされた時にライブだとその場で見せることができるので、ライブ配信はアジア圏に関しては盛んにやったりもしています。
Shopee川田:今、台湾でやっていただいてるライブ配信、結構反響ありますよね?
佐藤唯様:ありがたいことに!海外の方は質問をたくさん飛ばしてくださったりもするので、また日本人とちょっと違い、ライブ配信が向いているのかなと。
<検品と商品写真撮影の様子>
佐藤唯様:購入するまでの認識と届いたものの認識をずらさないように、「ここに傷があるからね」というコンディションを商品説明に詳細に書いているので、そこで認識のすり合わせはさせていただいております。あとは事前質問を受けたりもするので、実際にお客様の購入まであと一押しみたいなところを精一杯CSメンバーが対応しているので、皆さんに気持ちよく購入されて、届いた商品とイメージにそんなに相違がないというところでキャンセル率は相当低いと思います。
Shopee川田:一度購入された方が安心されてリピート顧客になるケースは多いんですか。
佐藤秀伸様:高いです。4〜5割くらいがリピーターですね。Brandearの品質がちゃんと担保されているから繰り返し購入されているのかなというのはあります。あともう一つは、SNSに自撮りをアップして楽しむ方がいらっしゃるんですよ。購入して自撮りをして終わったらそれを別の所に売って、またBrandearで購入するという流れがあって、日本のブランドは品質が高いので買取に出す時に良い値段で売れるので、そういったことも背景にあるのかなと思ってます。
岩本様:ほとんどの企業様は出品時に、禁制品が何か分からなかったりということがあるので、輸入規制やShopeeさんのレギュレーションを全て弊社でチェックして、販売できる商品だけを抽出しています。翻訳、リスティング、CS、配送などの全てをお預けいただいていて、企業様の方ではもっと売上を上げることに注力いただけるような環境を用意しているというところかなと思います。またマーケティングの方も弊社で支援していますが、企業やマーケットによってやり方が違ったりするので、ご予算感や方向性をヒアリングしながらプランを提示させていただいています。
Shopee村松:クライアント様が一番心配される部分はやはり規制とか物流とかそういった見えにくいところなんですかね?
岩本様:食品や化粧品を取り扱っている企業様だと、例えばインドネシアやマレーシアのイスラム圏に対して何か気を付けなければいけないことはあるのかご相談いただいたり、文化や宗教的なところをどこまで気にするべきか分からないというところが多いと感じますね。
Shopee村松:今後どういった日本の企業様にBeeCruiseさんを活用していただきたいと思われますか。
岩本様:弊社のグループのBuyeeというサービスでは、ものすごく簡単に自社ECを越境ECに出きまして、裾野をとにかく広げるってことをやっているんですが、そこからもっと先に例えば東南アジアとか台湾に力に入れたいという企業様にShopeeを使っていただくのが良いのかなと思います。
佐藤秀伸様:色々試行錯誤してきた中で一番効果があったのがキャンペーンのクーポン設定を高めにするということです。どの程度まで上げるとユーザーが反応し、それ以下だとあまり反応しないというバランスを模索し、PV、UUを施策をしない時から2-3倍伸長させています。さらに、Shopeeの公式キャンペーンに合わせながら、キャンペーン期間の最適化を行うことで、ユーザーの購買意欲をコントロールしています。
佐藤秀伸様:そうですね。現状ではリピーター様が多い状態なので、広告運用によっていかに新規を開拓していくかがBEENOSグループとしての次の注力と思ってます。
佐藤秀伸様:まず、期間に関してはキャンペーンの初日から最後の日までを見てまして、初日は絶対に広告を設定をしています。ブランド選定については、なるべくハイブランドが多いです。やり方については、商品数を増やした段階で自動のキーワード設定に切り替えましたね。
<取り扱い商品例:東南アジアではブランドバッグが人気>
佐藤唯様:新規の販路開拓にあたり、北米やヨーロッパは小さめなECサイトが多いのですが、アジア圏はshopee様のような大規模なマーケットプレイスが一般化しているので、ここからどんどん広げていきたいなという思いでBrandearは海外販売を強化しております。やっぱり、「日本の商品は品質が高く信頼できる」というところを担保しないと買ってもらえないと思っているので、今後も買取を強化しつつ、国ごとに需要の違いを見極めていけるようにしていきたいなと思っています。
岩本様:越境ECについて私たちが想像していないことを不安に思われたりする企業様もおり、そもそも始めること自体ハードルが高いことは事実かと思っています。そこは専門家であるShopeeさんや弊社の専門の人に任せた方が正直早いなと思っていて、企業さんの方で注力すべきところは、海外の人たちが商品のどの辺を魅力だと感じて欲しいだとか、消費者の方が何を気にしているのかというところをしっかり把握して、そこに対してどうやってファンを作っていくかというところの方が大事かなと思っています。そこを一緒に取り組みながらチャレンジして欲しいなと思っております。
取材を通して、Brandear様がブランド品に関わる売り手と買い手の双方の経験を良くするために取り組まれている様子が伝わってきました。売り手と買い手の間に特に距離のある越境ECにおいて、現地消費者のニーズや不安に寄り添いながら事業に取り組むためには、関税や規制などに精通したスペシャリストのサポートが大きく役立ちます。最初から自社で全てを完結させる以外にも、出品サービスを通じて越境ECを開始してみるのも良さそうだと思いました。
ー小畑
店舗情報
台湾:
https://shopee.tw/brandear01/
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https://shopee.tw/brandear04.tw/
タイ:
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