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越境ECは広告への投資が勝敗を分ける、効果的な広告運用とは
2024.02.29
海を超えて販売を行う越境ECでは、消費者の動向が見えにくいもの。
消費者の姿が見えないからこそ、売上やリピート購入が思ったように伸びず、どうしたらいいのか悩む企業も多くいます。そんな時に活用したいのが広告です。
広告への投資が勝敗を分けると言われるほど、近年のECでは広告運用が売上アップの鍵となっています。
本記事では、ショッピージャパン株式会社が実際に越境ECを運用する日本企業に対して行ったリサーチ結果をもとに、効果的な広告運用をご紹介していきます。
東南アジア・台湾で最大規模のECモール、Shopeeの日本法人であるショッピージャパン株式会社(以下:ショッピージャパン)は、越境EC事業の責任者・担当者111名に対し、越境EC事業の広告費に関する実態調査を実施しました。(2023年2月)
この実態調査をもとに、越境ECを運用する企業が抱える課題や効果的な対策を考察していきます。
「Q1.お勤め先の越境EC事業について、どのくらい運用できていますか」との質問に対し、「レベル2|ある程度認知や集客ができているが不十分で、運用上の課題も多い」が46.8%、「レベル3|認知や集客ができているが、運用上の課題がある」が23.4%
という結果となりました。
Q1.お勤め先の越境EC事業について、どのくらい運用できていますか。
・レベル1|認知や集客が全くできておらず、運用上の課題も多い:18.0%
・レベル2|ある程度認知や集客ができているが不十分で、運用上の課題も多い:46.8%
・レベル3|認知や集客ができているが、運用上の課題がある:23.4%
・レベル4|認知や集客ができており、運用上の課題もほとんどない:9.0%
・レベル5|認知や集客が非常にできており、運用上の課題は全く無い:0.9%
・答えられない/わからない:1.8%
レベル2:46.8%とレベル3:23.4%を合わせると70.2%となり、「レベル1|認知や集客が全くできておらず、運用上の課題も多い」の18.0%を大きく上回ります。
以上の結果から、越境ECの運用において色々な施策にある程度取り組んでいるものの、課題を感じている企業が多いことがわかります。
次に、越境EC事業における課題についてのリサーチ結果です。
Q1で「認知や集客が全くできておらず、運用上の課題も多い」「ある程度認知や集客ができているが不十分で、運用上の課題も多い」「認知や集客ができているが、運用上の課題がある」と回答した方に、「Q4. 越境EC事業において、どのような課題を感じていますか。(複数回答)」と質問したところ、「売上の伸び悩み」が71.4%、「リピート購入が少ない」が67.3%、「新規顧客の獲得」が52.0%という回答となりました。
約7割が「売上の伸び悩み」や「リピート購入が少ない」と回答した結果となります。
Q2. 越境EC事業において、どのような課題を感じていますか。(複数回答)
・売上の伸び悩み:71.4%
・リピート購入が少ない:67.3%
・新規顧客の獲得:52.0%
・顧客分析ができていない:40.8%
・客単価が上がらない:26.5%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%
越境ECの運用において、売上の停滞やリピート購入の少なさに悩む企業が多く、つまずきがちな課題は「売上の伸び悩み」「リピート購入が少ない」「新規顧客の獲得」であることがリサーチ結果から見てとれます。
越境EC運用におけるその他の課題についてもショッピージャパンが調査したところ、下記のような回答が得られました。
Q2で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q3.Q2で回答した以外に、越境EC事業において感じている課題があれば、自由に教えてください。(自由回答)」と質問したところ、「効果的な対策がわからない」「手続きの煩雑さ」や「サポート対応が難しい」など51の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・43歳:効果的な対策が分からない。
・44歳:手続きの煩雑さ。
・47歳:サポート対応が難しい。
・57歳:社内での理解が足りないのか理解者が少ない。
・32歳:新規顧客の伸びが悪く広告費との収益バランスが悪い。
・46歳:ECサイトの知名度が上がらない。
・53歳:多言語化。
・34歳:トラブルのない配送。
越境ECの運用においては、効果的な対策がわからずに行き詰まりを感じる企業もありそうです。
越境ECにおいて、企業が抱える課題を解決に導くツールとなるのが広告です。
引き続き、ショッピージャパンが実施した越境EC事業における広告費の実態調査をみていきます。
Q1で「わからない/答えられない」と回答した方に、「Q4. 越境EC事業において、広告費への投資は重要だと思いますか」と質問したところ、「非常にそう思う」が42.2%、「ややそう思う」が50.5%という回答でした。
Q4. 越境EC事業において、広告費への投資は重要だと思いますか。
・非常にそう思う:42.2%
・ややそう思う:50.5%
・あまりそう思わない:5.5%
・全くそう思わない:1.8%
・わからない/答えられない:0.0%
「非常にそう思う」「ややそう思う」合わせて92.7%の回答者が、越境EC事業において広告費への投資が重要と思っているという結果となりました。越境ECを運営する企業にとって、広告は重要だという認識が広まっていることがわかります。
Q4で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q5. 越境EC事業において広告費への投資が重要だと思う理由を教えてください。(複数回答)」と質問したところ、「認知されやすくなるから」が71.4%、「リピート購入につながりやすいから」が71.4%という回答となりました。
Q5. 越境EC事業において広告費への投資が重要だと思う理由を教えてください。(複数回答)
・認知されやすくなるから:71.4%
・リピート購入につながりやすいから:71.4%
・新規顧客の獲得がしやすいから:14.3%
・Web広告は費用対効果が出やすいから:14.3%
・競合サイトよりも選ばれやすくなるから:0.0%
・顧客との信頼の構築に繋がるから:0.0%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%
広告投資を重要視する理由において、7割以上の企業が「リピート購入につながりやすいから」「認知されやすくなるから」と回答した結果となりました。
広告は、新たな顧客にアプローチして自社の認知度を高めたり、既存顧客に自社商品を思い出してもらうことでリピート購入を促すことができます。広告を通じて新規顧客・既存顧客の両方にアプローチすることで、売上向上の効果が期待できるのです。
越境EC事業における行き詰まりの打開策として有効な広告ですが、効果的な広告運用にはどんなものがあるのでしょうか?
Instagram, X(旧Twitter)、Facebookなど、SNSを使った集客は日本でも一般的になりましたが、海外市場においてもSNSは認知度向上や消費者の購買意欲の促進に有効です。
自社アカウントを作成して、SNSで魅力的な情報を積極的に発信しましょう。国によって影響力のあるSNSの種類は異なるため、現地のターゲット層がよく利用しているSNSを選ぶことが大切です。
特に中国ではSNSについて規制があるため注意が必要です。世界では一般的なSNSの多くは中国では利用できず、WeChatやWeiboなど中華圏独自のSNSが発達しています。
広告の形態について、動画広告は短い時間で情報を効率よく伝達できるため、おすすめです。商品の使用感イメージや使い方をまとめた動画広告は、消費者が購入後のイメージをいだきやすく効果的に訴求できるでしょう。
また双方コミュニケーションが可能なSNSでは、企業からの一方的な発信に終始しないことも大切なポイントです。インフルエンサーに自社商品をPRしてもらったり、消費者からの投稿をリポストすることで口コミ効果も期待できます。
SNSを活用した広告は少ない予算で運用できるものも多いことがメリットですが、その分、自社で理解しておかなければならないポイントも多くあります。現地ターゲット層の洗い出しや効果的なSNSの種類、伝達手法などを自社でしっかりと理解しておく必要があります。
遠く離れた海外市場で自社の認知度を上げるには、現地で人気のある広告媒体を利用するとよいでしょう。
越境ECにはスピード感も大切です。できるだけ短期間で集客するには、現地の消費者の関心を効率的に集める必要があります。
自社ブランドや商品に関連しており、消費者から人気の媒体に広告を出稿すると効果的です。
例えば、アパレルブランドなら現地で有名なファッション誌など、商品と関連性が高い媒体の中からより注目度の高い媒体を選びます。現地で影響力の大きな媒体に広告を出稿することで、自社の認知度アップだけでなく、ブランド力の向上にも非常に役立ちます。
ただし、影響力が大きく人気の媒体は広告費も高いことが多く、事前に出稿費用をリサーチしておくことも大切です。SNSではあまり費用をかけずに広告運用することもできますが、現地で人気の広告媒体にはある程度の費用がかかるケースが多いため注意が必要です。
訴求力や費用対効果、そしてかけられる予算を十分に分析した上で、広告出稿を決めると良いでしょう。広告内容は、現地の消費者が魅力的に思う色やレイアウト、言葉遣いでまとめることが大切です。
コストは少ないけれど運用ノウハウが必要なSNS、インパクトはあるけれど予算がかかりがちな現地で人気の広告媒体。どちらもメリット・デメリットがありますが、現地の市場分析が難しいと感じる企業も多いでしょう。
そんな時におすすめなのが、現地で認知度の高いECモールでの広告運用です。
始めたばかりの越境ECでは、広告以外にもやらなければいけない施策が山積しているもの。すでに現地で認知度の高いECモールなら、ECモール自体に抜群の集客力があるため、自社の認知度がまだ低くても消費者の目に留まる可能性が高まります。
ECモールは、例えて言うならショッピングセンターです。認知度の高いショッピングセンターに出店していれば、より多くの人に知ってもらえる可能性が高いのです。
さらに、こうしたECモールでは広告運用に精通したチームがノウハウを集結させた広告パッケージを展開していることが多いことも特徴です。自社に広告運用の知識がなくとも、広告プランを選ぶだけで運用を開始できますし、広告運用について相談できる担当者がいる場合もあります。
「自社に広告運用のノウハウがない」「市場調査のための時間も人材もない」といった場合にもECモールにおける広告運用は非常に効率がよいでしょう。
東南アジア・台湾で最大規模の越境ECプラットフォームShopeeなら、現地の消費者ニーズに合わせた広告プラン、Shopee Adsも展開しています。
ショッピージャパンが実施した越境EC事業における広告費の実態調査では、各企業がかけた広告費の相場についても調査しています。
Q1で「わからない/答えられない」と回答した方に、「Q6.お勤め先の越境EC事業における、売り上げに対する広告費の割合を教えてください」と質問したところ、「5~10%未満」が33.0%、「3~5%未満」が23.9%という結果となりました。
Q6.お勤め先の越境EC事業における、売り上げに対する広告費の割合を教えてください。
・1%未満:2.8%
・1~3%未満:14.7%
・3~5%未満:23.9%
・5~10%未満:33.0%
・10~15%未満:18.3%
・15~20%未満:5.5%
・20%以上:0.9%
・広告費はかけていない:0.0%
・わからない/答えられない:0.9%
以上の調査より、各企業の売上に対する広告費の相場は「5%前後」であることがわかります。適切な広告投資が越境ECには欠かせないと言えるでしょう。
東南アジア・台湾で最大手の越境ECプラットフォームShopeeは、現地の消費者ニーズに合わせた広告プラン、Shopee Adsを展開しています。
Shopee Adsとは、越境ECプラットフォームShopee内に掲載できる広告のことです。
サイトのトップページ、検索結果ページ、商品詳細ページなどで商品やショップを目立たせることで、より多くの注目を集め、トラフィックの向上や売上の増加を促進できます。
Shopee Adsの特徴は下記の通り。
① 費用対効果の高い売上直結型広告
② 売上への貢献
③ 商品露出頻度を最も効果的にUP
Shopee Adsに広告掲載したセラーの売上成長率は、広告掲載していないセラーの65%を超え、全体のパフォーマンスを2倍に押し上げたというデータもあります。
Shopee Ads:広告の種類
広告運用は、通常期だけでなくセール期間中にも大きな効果を発揮します。越境ECにおいては、セール期間に売上が大きく伸びる傾向があるため、広告運用と掛け合わせて認知度を向上させることで売上の伸びしろを大きく引き延ばすこともできるのです。
例えば、「独身の日(ダブルイレブン)」として知られる11月11日のセール期間中に、Shopeeのキーワード広告などを活用したセラーは平均14倍注文を伸長させたというデータもあります。
Shopee Japanでは日本越境セラーが広告を活用して売上を伸ばせるよう、幅広い教育プログラムを提供しています。越境ECを始めたばかりのセラーでも使いやすいキーワード広告などのShopeeマーケティングソリューションを提供し、売上向上やリピート購入を増やすためのサポートにも積極的です。
越境ECの運用において、課題解決の鍵となる広告運用。Shopee Japanなら、現地マーケットのニーズに合わせた多彩な広告プランをご用意しています。
自社の予算や状況にあわせた広告運用をShopeeで始めてみては。
この記事を書いた人
Natsuko Sakurai
2拠点生活フリーランス。ロンドン、オランダ、スペイン 3ヵ国での在住や現地企業での勤務経験があり、帰国後も海外ビジネスに関わり続けています。コロナ禍をきっかけに、海外にしかオフィスのない現地企業との国際リモートワークが始まったりと、たえず働き方は進化中。