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ダブルイレブンとは?中国だけじゃない巨大ECセールの解説と攻略法
2023.09.14
ダブルイレブン(W11)とは、11月11日に行われる世界最大規模のECセールです。
そもそも「独身の日」という名称で中国から始まったイベントですが、現在では東南アジア諸国など中国以外の国でも開催されるようになりました。
ECにおけるセールには年間を通してさまざまなものがありますが、ダブルイレブンは他と何が違うのでしょうか?
本記事では、ダブルイレブンの特徴と攻略法について解説していきます。
ダブルイレブン(W11)とは、11月11日に開催される超大型のECセールです。
その始まりは、1が並ぶことから中国で「独身の日」と呼ばれるようになったこと。独身の日には、そもそも出会いを求める独身者向けのイベントが開催されていました。それが次第に独身者同士が贈り物をするイベントの日となり、大きく盛り上がるようになりました。
独身の日の盛り上がりに目をつけた中国の大手ECモール、アリババが中国の独身者をターゲットにECセールを行うようになったことをきっかけに、中国企業が次々と参入。やがて世界でも最大級と呼ばれるEC大商戦が展開されるようになりました。
現在では、ダブルイレブンといえば独身者向けのイベントというより「中国最大規模のECセール」というイメージを持つ人の方が多いのではないでしょうか。
ダブルイレブンの勢いは中国だけに留まらず、「中国の後に続け」と東南アジア諸国でも開催されるようになりました。現在では東南アジアでも、ダブルイレブンは1年の中で最も盛り上がりを見せる主要なECセールとなっています。
クリスマスでも新年のセールでもない、ダブルイレブン(W11)。一体、何がそんなにすごいのでしょうか?
まず、売上規模。国内市場における一般的なセールではみられないほど、売上が急増します。そしてECセールの盛り上がりに伴って、ライブコマースなどのECイベントも盛んになります。
ダブルイレブンの時期は「セールへの期待感」と「買い物ムード」がEC市場全体で高まるため、既存顧客だけでなく新規顧客を獲得するチャンスだと言えるでしょう。これから越境ECへ参入しようと考えている企業は、ダブルイレブンを認知拡大に活用するのも戦略のひとつです。
ダブルイレブンの発祥の地、中国における2022年のダブルイレブン期間での総合ECプラットフォーム(Tmall、JD.com、拼多多を含む)の流通取引総額は9,340億元(約18兆3,246億円)だったといいます。(中国の調査会社 星図データ調べ)
またライブコマースの勢いも健在で、星図データの同調査によると抖音(TikTok)、快手(Kuaishou)、点淘(Diantao)を含むライブコマースプラットフォームの合計流通取引総額は1,814億元(約3兆4,466億円)でした。
またインフルエンサーの影響力も凄まじく、中国のトップインフルエンサー李佳琦(Austin Li)が、たった1人で200億元(約3,800億円)を売り上げたと推定されています。驚くべきことに、李佳琦のライブコマースの総視聴者数はなんと4億5,000万人。日本の人口1億2,300万人の約3.7倍もの人が、ダブルイレブンのキャンペーン時期に李佳琦のライブコマースを視聴していたことになります。
世界各国のメディアも毎年注目するほどの巨大ECセールとなった中国のダブルイレブンですが、近年は中国経済の停滞に伴い、成長が鈍化しているというリサーチもあります。
そこで注目したいのが、新興市場である東南アジアです。
少し前までは、発展途上国のイメージも強かった東南アジア諸国。しかし現在では、シンガポールは日本のほぼ倍のGDP、フィリピン、マレーシアやタイなどは日本の高度経済成長期並みの経済成長を遂げています。
コロナ禍の急速なデジタル化の後押しもあり、EC展開において好条件が揃ってきた東南アジア。
そんな東南アジアと台湾でトップシェアの越境ECプラットフォームShopeeも、ダブルイレブンで大きく盛り上がるECサイトのひとつです。商品オーダー数、売上の大幅アップに加え、キャンペーン時期のライブコマースの視聴回数も格段に増えます。
Shopeeにおける、2022年のダブルイレブン(11.11ビッグセール)の実績は下記の通りでした。
Shopeeにおける2022年のダブルイレブンでは、日本からの越境セラーの活躍が目立ったことも大きな特徴です。また、日本からの越境商品を購入した消費者の2人に1人は初めて日本越境商品を購入した人だったそう。
このような日本の越境セラーの躍進からも分かるように、成長を続ける東南アジアの越境EC市場ではまだまだ新規参入の余地が残されています。
ダブルイレブンにおいて、ライブコマースは売上の向上に大きな影響力があります。
情報の一方通行となりがちなECでのショッピング体験において、ライブコマースは消費者からのニーズや疑問をその場で汲み取ることができます。双方向のコミュニケーションを活性化し、消費者の購買意欲の向上に役立つツールがライブコマースなのです。
Shopeeのライブコマース「Shopee Live」は2022年のダブルイレブンにおいて、東南アジア・台湾で15億回以上の視聴回数を記録しました。
ダブルイレブンで売上を最大限に向上させたいなら、ぜひ利用を検討したい機能です。
Shopeeの2022年ダブルイレブンにおいて、東南アジア・台湾の消費者から人気だった日本からの越境商品カテゴリは「ヘルスケア・化粧品」「ホーム・リビング」「食料品」でした。これらのジャンルの日本商品は特に需要が高まり、注目されています。
日本からの越境商品カテゴリ 人気Top3
例えば、シンガポールのダブルイレブンの人気商品では美容品が上位を占めました。「潤姬桃子」潤肌素と「カミノワ」薬用育毛剤といった美容品が人気で、「白い恋人」などのお土産需要に応える食料品も水際対策緩和の影響で売上が伸びました。
台湾におけるダブルイレブンでも美容品と食料品が人気でした。加えて、ヘアドライヤーや衣類乾燥機といった家電商品も売上が急増しました。
ここまでが2022年のダブルイレブンにおける実績となりますが、経済成長とEC市場の急拡大が続く東南アジアでは、消費傾向の大きな変化も期待されます。今後、上記以外の商品カテゴリにもチャンスが残されていると言えそうです。
ECセール、ダブルイレブンは本当に売上アップに効果があるのか?
実際にShopeeを通じてダブルイレブンに参加した日本企業の成功事例をご紹介します。
店舗名:Osakakuma Japan
台湾店舗:https://shopee.tw/osakakuma.tw
シンガポール店舗:https://shopee.sg/osakakuma.sg
Osakakuma Japanでは、これまでのECセール経験を踏まえてダブルイレブンに備えてしっかりと事前準備を行いました。
ダブルイレブンでのクーポンや割引の設定、セール中の運営などに関してShopee Japanから説明を受け事前に理解。そのため、注文が集中するセール当日も、とてもスムーズに販売や運営ができたとのことです。
売上が急増するということは、つまり受注に関する業務も短期間に急増するということです。運営がスムーズにいかずに売り逃しが起きることを避けるために、事前準備やシミュレーションを行っておくことが非常に大切。さらに、クーポンや割引の設定なども事前に準備しておくことで、売上の可能性を最大限に引き出すことができます。
EC市場全体で、売上が急増するダブルイレブン。この勝敗を左右するのは事前準備です。
Shopeeユーザー調査によると、ECの消費者は祝祭日の1ヶ月以上前から、イベント関連の商品を検索してカートに入れています。
つまり、売上の可能性を高めるには、セール当日だけでなく1ヶ月以上前から自社の商品が消費者に認知・検討される必要があるということです。
それでは、具体的にどんな事前準備を進めればよいのでしょうか?
下記がダブルイレブンなどの大型ECセールに効果的な事前準備の3ステップです。
広告を効果的に活用するには、まずは目的を明確にすることが大切です。広告の目的タイプによって、着目すべきポイントが異なります。
下記の広告の目的タイプ別の指標を参考にしながら、効果的な広告戦略を考えましょう。
重視すべき指標:
向いている対象:
新店舗、新商品発売、メガセール、スーパーブランドデーなどの大型ECセール
重視すべき指標:
向いている対象:
通常期〜大型セール期まで売上を向上させたいあらゆるシーン
ECセールでの成功の鍵は自動ツールの活用です。消費傾向の変化やテクノロジーの進化のスピードがますます加速している昨今では、すべてを手動で行おうとしないことが効率化につながります。
機械学習の精度が高まり、多くの時間や手間をかけなくても機会の最大化が図れる自動ツールを上手に取り入れましょう。
ShopeeのECプラットフォーム上で利用できる自動ツールの一例は下記です。
① 自動選択キーワード(Auto Selected Keywords):キーワードの選定と最適化を自動で行う
② 入札価格の強化(Enhanced Bid Price):手動で選択したキーワードの入札額を最大50%増やし、コンバージョンの可能性が高いクリックを実現
③ 自動最適化(Auto Optimisation):ディスカバリー広告の表示場所ごとに自動的に入札価格を最適化
④ キャンペーン当日の入札価格最適化(Campaign Day Bid Price Optimisation):主要キャンペーン日の入札価格を自動調整
検索や広告で商品ページにたどり着いた人が、魅力的に思うページ作りも大切です。下記の作業を行い、ショップや商品の魅力を高めましょう。
① 商品のネーミング
商品名の構成を統一し、見た人がひと目でわかる正確な名前をつける。
② ビジュアル
魅力的な画像や動画を選ぶ。高解像度、透かし模様が入っていない。
③ 価格
類似商品と比較して、競争力のある価格設定にする。
④ 商品説明
① ビジュアル:
きれいな画像、ショップロゴを使う
② タグライン:
③ショップのホームページ
初めての越境ECで、セール開始まであまり時間がないという企業も多いもの。
そんな時にまず重視したいのが広告です。2022年のShopeeダブルイレブンでは、広告を出稿している日本からの越境セラーの売上は通常期と比べて約3倍に伸びました。
ダブルイレブンのような超大型セールでは、競合他社も多く、消費者の動向も日々変動しがち。そのため広告などへの投資をなくして、一定以上のリターンは難しいとも言えます。
Shopeeで利用できる広告は主に2種類。その特徴や露出場所を下記にまとめました。
【広告の種類】
① キーワード広告
特徴:検索結果ページの上位に商品や店舗を露出させ、トラフィック数を増やすことが可能
露出場所:検索ページ
設定方法:セラーが検索キーワードを設定し、ポテンシャルバイヤーに的確にアプローチ
② ディスカバリー広告
特徴:Shopeeの推奨エンジンを活用し、オススメ商品として広告を表示
露出場所:ホームページと商品ページ内、オーダー完了ページなど
設定方法:消費者の購買行動に基づき、関連度の高い商品を積極的に露出させる
越境ECにおいて、売上アップだけでなく店舗の認知度向上の一大チャンスでもあるダブルイレブン。
年に一度の大事な商戦に備えて、ECセールで成功するための事前準備を進めましょう。
Shopee Japan(ショッピージャパン)なら、越境ECセラー向けの豊富な情報コンテンツやウェビナーに加え、経験豊富な担当者に気軽に相談できるサポート体制があります。
消費者の嗜好の多様化に伴い、消費傾向の予測がますます難しくなってきた昨今。頼れるサポート体制を備えたShopeeで、ダブルイレブンをきっかけに越境ECを始めてみては。
この記事を書いた人
Natsuko Sakurai
2拠点生活フリーランス。ロンドン、オランダ、スペイン 3ヵ国での在住や現地企業での勤務経験があり、帰国後も海外ビジネスに関わり続けています。コロナ禍をきっかけに、海外にしかオフィスのない現地企業との国際リモートワークが始まったりと、たえず働き方は進化中。