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越境ECマーケティング担当が指南!海外で売れる出品のコツを詳しくご紹介
2023.01.19
国内と海外の消費者は志向が異なるため、当然のことながら「刺さるポイント」が異なります。
日本の消費者にはわざわざ説明がいらないようなことでも、海外市場では言語化したり画像に示さないと伝わらなかったり……。
例えば、「日本から直送」「日本のブランド」といった説明は国内販売では不要ですが、越境ECにおいてはしっかり言語化して説明することで付加価値になります。
その他にも、市場のトレンドや現地や他の国からの競合の動向をつかむことが売上アップのために大切です。こうしたステップが欠けていると、せっかくの商品の魅力が最大限引き出せなかったり、競合に負けてしまいます。
越境ECに詳しいShopeeマーケティング担当から最新情報を得て、本記事では海外(特に東南アジア圏)で売れるための出品のコツを具体的に解説していきます。
国内販売とは違った視点で考えなければならない越境EC。日本のセラーが陥りがちな失敗とはどんなことでしょうか?
よく寄せられる声としては「日本で人気の商品でも、必ずしも東南アジアで売れるとは限らない」という点です。
これは、消費者の好みや環境が大きく異なる海外では起こりがち。いきなり大きな在庫を抱えてスタートするのではなく、現地のニーズを調査・分析したり、たくさんの商品を出品しながら調整していくことが大切になります。
下記のような情報を調査・分析しながら、現地のニーズを理解していきましょう。
① 販売先の国でのマーケット情報
② 越境ECにおけるマーケティング
③ 物流に関する情報
これ以外にも、日本の家電を販売しようとしたら電圧やプラグが違うために全く売れなかった……という場合もあります。色々な可能性を試しながら軌道修正していくことも、越境ECの場合は大切になります。
東南アジアでは、日本製品に対する信頼が高い国や地域が多いことが特徴です。ただ、物価が安い国もあるため、新品の日本製品では高すぎて販売が難しい場合も。そのため、中古品が人気となる場合もあります。
商品カテゴリーや販売国によっては、新品だけでなく中古品の販売も視野に入れると良いでしょう。
越境ECにおいて中古品の販売は基本的には可能ですが、下記のような条件を満たす必要があります。
ShopeeやeBayなどでは中古品の販売が可能ですが、中古品の販売を禁止しているプラットフォームもあります。
輸出先によっては中古品での販売が禁止されている品目もあります。食品や化粧品はもちろんのこと、販売先の国の禁止品目の確認が必要です。
出品の際は、商品タイトルや商品詳細に「USED」等、中古品であることを明記する。
高級ブランド品などの場合は、模倣品でないことを証明する手続きが求められることがあります。真正品であることを証明するための、仕入れ証明書や請求書などの追加書類が必要となる場合があります。
越境ECで売れる出品をするためには、まずは消費者についてよく理解することが大切です。
また、意外な声として挙げられるのが言語のこと。東南アジア圏の消費者は、そもそも英語が母国語ではない人も多いため、Google翻訳などを使いながらの拙い英語でも優しく受け止めてくれるお客様が多いとのこと。
英語や現地の言葉がわかるに越したことはありませんが、カジュアルでフレンドリーな空気が流れる東南アジア圏では、思ったよりも肩肘張らずに越境ECに取り組めるかもしれません。
その他には、次にあげるようなポイントが日本とは異なる海外の傾向となります。
海外販売では、「想像していたジャンルと全く違う商品が売れた」というのもよくある声のひとつ。
例えば、EC未経験からわずか5ヶ月でShopeeのトップセラーにまで成長した株式会社クレスティアの場合。初めは、高級時計に狙いを定めていたものの、なかなか受注に繋がらなかったため様々なジャンルの商品を試すことにしました。
その結果、美容家電やお菓子がヒットしました。
台湾とシンガポールへ出店後、タイ、マレーシア、インドネシアへと出店していましたが、現地のセラーが多いジャンルや、高級すぎる商品はオンライン販売との親和性がなかったとのことです。
Shopeeでは割引のための選択肢が多彩です。よく使われるものとしては、以下のような販促ツールがあります。
こうした割引ツールが充実している背景には、1%でも割引がついているかどうかで売上が変わってくるという傾向があります。
例えば、お菓子などの単価の低い商品は、違う味をまとめ売り販売できるように工夫することで、売上がアップしたというセラーもいるほどです。
せっかく出品するなら、商品の魅力を最大化させたいもの。ここでは海外の消費者に魅力的に映る出品の方法についてご紹介します。
商品タイトルも売上を左右する大切な要素のひとつです。消費者が商品検索をした際、目に留まりやすい工夫が必要になります。
どんなキーワードで検索されるか考慮しながら商品タイトルをつけていきます。
この時に役立つのが競合のリサーチです。気になる商品名やキーワードを検索して、上位表示されている商品に共通するパターンやアルゴリズムを分析していきます。こうした分析から得られた情報を商品タイトルに反映することで、より効果的で魅力的な商品タイトルになります。
日本越境商品であることを強調する
「Direct from Japan」「Made in Japan」といったキーワードを商品タイトルに記載します。日本からの越境商品であることのアピールにつながり、さらに付加価値となります。
ブランド名
検索対象となるように「ブランド名」や「メーカー名」もタイトルに明記します。
商品名の言語
販売対象国によっては、英語+αの言語で商品名を記載することがおすすめです。
例えば台湾なら、繁体字中国語の後に日本語や英語でも商品名を重ねて掲載することが推奨されています。これは、台湾では日本語や英語のわかる消費者も多いためです。
キャッシュバックや商品詳細の明記
消費者がメリットに感じることを商品タイトルに含めることも、クリック率向上のために有効です。
キャッシュバックプログラムへ参加していることや、サイズ・用途などの細かいキーワードを商品名に入れましょう。文字数が長くなりすぎる場合は、略号なども活用します。
ECにおいて、商品画像は売上を左右するもっとも重要な素材です。海外消費者の目に留まるよう、マーケットに合った魅力的な画像を準備することが大切となります。
派手な写真がウケる場合も
日本のECではシンプルな商品画像が主流ですが、東南アジアでは誰の目にも留まるような、カラフルで目立つ画像が好まれます。
日本ではあまり見ないような、赤、青、黄色、紫、レインボーなどの派手な色の組み合わせがウケる場合もあります。
補足情報
1枚の商品画像の中に、いかに情報を詰め込めるかも重要となります。
店舗のロゴだけでなく、「日本からの直送」「日本製品」といった情報を画像内で示すことも大切です。
さらに東南アジアでは、情報の多い画像が売上に繋がりやすいといった傾向もあります。目立つ外枠、送料無料、店舗をフォローしたら割引がもらえるなど、販売につながる情報はどんどん掲載しましょう。
商品の品揃えも、売上アップのために大切なポイントです。十分な品揃えがないと、消費者が離脱しやすくなり、別の店舗へ流れてしまう可能性が高くなります。
まずは、1店舗につき30商品以上の掲載が推奨されています。商品数を増やし店舗を充実させましょう。
さらに、それぞれの商品の在庫数にも注意が必要です。せっかく商品画像や説明文を作成するのに、在庫数が1〜2個では効率がよくありません。在庫数は最低でも10個以上がおすすめです。
ここでは、売上を促進するために役立つポイントについて解説していきます。
競争力のある価格設定
ECの消費者は価格を比較することに慣れています。
価格の設定の際には、価格競争力を保てる商品かどうかの精査も大切です。
他の日本越境セラーだけでなく、現地や他国の越境セラーの類似商品と比べても、競争力を維持できる価格設定にします。
販売商品は、現地のニーズに合わせた品揃えにすることが大切です。下記のような切り口から現地のニーズや最近のトレンドを調べ、ニーズにあった商品在庫を揃えましょう。
売れている商品の傾向や、商品画像や説明文の魅力などを比較・分析することがポイントです。
商品ページのアクセス数を増やす(SEO対策)
商品ページのアクセス数を増やすためにはSEO対策も重要です。
SEO対策とは、アルゴリズムを考慮しながら、検索結果の上位に商品ページや店舗ページを表示させるための施策のことです。広告などと違ってSEO対策は無料でできるため、売上向上のためにぜひ取り入れたい施策のひとつです。
以下のようなポイントに注意して、検索されやすい商品ページを作成しましょう。
その他には、現地の消費者に馴染みのある言葉使いやキーワード選びをすることも、アクセス数を増やすために重要なポイントとなります。
広告を活用する
広告は有料となりますが、ショップや商品ページへのアクセス数を増やすために非常に有効な手段です。
「キーワード広告」「ディスカバリー広告」など目的に応じた広告を使い分けるとよいでしょう。
広告の中には「クリック課金制」と呼ばれ、ユーザーが実際にクリックするまで課金されないタイプのものもあります。出品してからなるべく早い段階で売上を軌道に乗せるためにも、必要な初期投資を十分に行っていくことがおすすめです。
また、こうした広告を利用する際には、広告掲載後のデータ分析も大切です。どんなキーワード、商品や画像に最も反応があったのか、そして反応が薄かった理由なども分析します。消費者の姿が見えない越境ECでは、こうしたデータ分析を定期的に行うことで、消費者の理解や効果的な施策につながっていきます。
大型セールを活用する
大型セールは、売上を飛躍的にアップさせるための強力な販売期間です。セールや販売国によっては、オーダー数を通常の約10倍、売上を約16倍に伸ばした日本越境トップセラーもいるとのことで、越境ECを運営する際には見逃すことはできません。
例えば、Shopeeではメガキャンペーンと呼ばれる大型セールを開催。特に下半期には9月から12月まで毎月大型セール期間を設定し、時には約2週間にわたって毎日さまざまなキャンペーンを開催しています。
こうした期間は越境EC全体のアクセス数も急上昇するため、事前に販促カレンダーを確認しておくことが好ましいでしょう。
以上、海外で売れる出品のコツについて、Shopeeマーケティング担当者より提供の最新情報をもとに記事にまとめました。
国内と海外の市場は異なるものの、しっかりとコツを掴めば日本より大きな販売チャンスが得られる可能性があります。実際にEC未経験からわずか5か月でトップセラーに急成長した企業や1年で売上を50倍に伸ばしたセラーも存在します。
こうしたセラーに共通することは、現地のニーズを調査・分析し、素早く実行に移したこと。その影には綿密な情報収集やShopeeの担当者による実用的なアドバイスもあったといいます。
Shopeeでは、販売促進のための各種セミナーやサポート体制も充実しています。上記でご紹介した出品のコツを参考にしながら、Shopeeで越境ECにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
Natsuko Sakurai
2拠点生活フリーランス。ロンドン、オランダ、スペイン 3ヵ国での在住や現地企業での勤務経験があり、帰国後も海外ビジネスに関わり続けています。コロナ禍をきっかけに、海外にしかオフィスのない現地企業との国際リモートワークが始まったりと、たえず働き方は進化中。