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国際物流:海外配送に便利な物流会社とサービスの選び方
2023.12.29
ビジネスが国際化している昨今、海外との取引の際に国際物流が必要な場面も増えました。
本記事では国際物流の主な流れや目的別の国際物流会社についてご紹介していきます。
国際物流は、国境を超える国と国とをまたぐ物流です。そのため国内物流とは異なる手段や手続きがあります。
国際物流と国内物流との大きな違いは、輸送手段の違い、通関の手続き、関税の有無が挙げられます。
国内物流ではトラックや鉄道などが主な輸送手段ですが、日本は島国なので海外へ貨物を輸送する際に使われるのは飛行機か船となります。そのため国内物流よりも輸送コストや時間がかかります。
また通関や関税に関しては、国際物流では通関が完了するまで貨物を一時的に保管する倉庫を利用しなければならない場合もあります。通関手続きに関連した倉庫の利用や書類手続きなどが発生することも国際物流の大きな特徴です。
国際物流では国境を超えるため、国内物流にはないさまざまな手続きが発生します。貨物は長距離を移動し、配送業者や税関を経由しながら運ばれます。そのため、長距離移動やさまざまな取扱いに耐えられるよう、しっかりと梱包する必要があります。
国際物流の主な手段は船と飛行機。貨物が届け先に届くまで多くのプロセスを踏むため、ビジネスで利用する際には事前準備や計画性も大切となります。
国際物流では、国内物流よりもはるかに長い距離を貨物が移動します。そのため、中の荷物を守るために梱包は頑丈にしておく必要があります。
配送方法によって、荷物を守る梱包方法は異なります。
例えば、船による輸送ではゆっくりと貨物が運ばれ、時には自分の貨物の上に重量物が置かれることもあります。ですので、長時間あらゆる状態に耐えられるよう頑丈な梱包が求められます。
その一方で、飛行機による輸送では積荷のスペースが限られているため、貨物をできるだけ小さく軽くしておかないと膨大な輸送料金がかかってしまいます。
国際物流は国境を超えるため、配送する貨物にインボイスやパッキングリストなどの書類が必要です。これらの書類は発送時に必ず貨物に添付しなければならないため、梱包時には忘れないように準備しましょう。
日本は島国のため、国際物流における輸送手段は船か飛行機のどちらかとなります。
船と飛行機はそれぞれ特徴が異なるため、貨物によって適した方法を選びます。
船は大きな荷物や重い荷物に適しています。費用も安く、大量に安く運びたい時にも最適です。しかし、輸送日数がかかるため、配送に時間がかかってもよい貨物に向いています。
一方、飛行機は、梱包ルールが厳しかったり輸送できるものに制限があります。費用は船よりも高額になりますが、早く配送できることが特徴です。
国境を超える国際物流では、貨物は必ず税関を通ります。貨物が税関を通過する時に必要となるのが通関手続きです。
輸出と輸入では、必要な通関手続きも異なるので注意しましょう。
輸出の際は通関書類の添付が義務づけられているため、インボイスやパッキングリスト、シッピングインストラクションなどの書類を発送前に準備します。
一方で、輸入の際は、基本的には荷物を受け取る側は特別な手続きは発生しません。しかし、発送主が作成した通関書類に不備がある、情報が不足しているといった場合は通関からの連絡に対応したり、貨物受け取りの際に輸入関税を支払うなどの手続きが発生することがあります。
さまざまな業者を経由する国際物流では、貨物の追跡は非常に大切です。
輸出入に必要な通関書類の不備で税関で止まってしまっていたり、輸送途中に何らかの理由で配送が遅延するというケースも珍しくありません。
特に、ビジネスで国際輸送を利用する際には配送時間は信用にも影響が出ます。必ず貨物の追跡番号を控え、現在の位置情報や配送状況を適宜確認するようにしましょう。
万が一、配送途中で貨物が紛失したりダメージを受けた場合は、補償を受けられる場合もあります。貨物の配送が完了するまで、しっかりと追跡しておくことが大切です。
日本における国際物流の配送手段は、船便と航空便です。
ここでは、国際物流の種類を配送の目的、日数、費用ごとに解説します。
船便は、あまり急ぎでない貨物や大型の貨物を低予算で運びたい時に向いています。配送日数は数ヶ月単位でかかる場合もあるため、海上での湿気や長期輸送中の貨物ダメージにも注意が必要です。
航空便は、船便と比べて格段に早く貨物を運べます。その代わり、大きさや重さに制限があったり、輸送費用も高額です。危険物など、飛行機に積み込めないものもあるため事前に輸送可能な荷物か確認する必要があります。
エコノミー航空便(SAL便)は船便と航空便をミックスした配送方法です。日本国内と到着国内では船便として扱い、両国間は航空輸送します。そのため船便より速く、航空便より安い輸送方法です。
航空輸送では、飛行機の空きスペースを利用して輸送するため、繁忙期など空きスペースがない場合は配送日数がやや長くなるため注意が必要です。
航空便ほど費用はかけたくないが、船便を利用するほど待てない……という貨物に適しています。
ここからは国際物流の代表的な会社をご紹介します。
本記事で提供している情報は現時点のできるだけ正確な情報提供を心掛けておりますが、あくまで参考資料であり、Shopeeおよび執筆者は利用者の確認不足によって発生したいかなる損失に対しても責任を負いかねますのでご了承ください。
最新情報については各国際物流会社にて直接ご確認ください。 |
日本でも利用されることの多い、海外の大手国際物流会社は以下の3社です。
これらの国際物流会社を詳しくみていきます。
URL:https://www.fedex.com/ja-jp/home.html
FedEx(フェデックス)はアメリカに本社を置く、世界最大規模の国際物流会社です。国境を超える長距離輸送では難しかった、指定日時輸送にも対応しておりスピード感のある輸送をしたい場合にも向いています。
また独自の通関サービスセンターを設け、煩雑になりがちな通関手続きをFedExのスペシャリストがサポートする体制も整えています。
URL:https://www.ups.com/jp/ja/Home.page
UPS(ユーピーエス)もアメリカの本社を置く、国際物流会社です。サービス対象となる国や地域は200を超える、世界最大規模の会社です。配送の質にこだわり、自社ドライバーによる集荷、自社機による国際航空輸送、輸出入通関、相手先までの配達をすべて自社で一貫して行っていることが特徴です。
URL:https://www.dhl.com/jp-ja/home.html
DHL(ディーエイチエル)は、ドイツに本社のある大手国際物流会社です。小型から大型貨物まで幅広く対応できる国際輸送サービスを展開しており、ビジネス規模に関係なく利用しやすいことが特徴です。特に大規模組織に向けてはカスタマイズ可能なロジスティクスサービスも提供しているため、国際物流における総合企業といえるでしょう。
次に、国際物流に対応している日本の物流会社をご紹介します。
URL:https://www.post.japanpost.jp/int/UGX/index.html
言わずと知れた日本郵便。日本全国に窓口があることが利点です。国際物流においてはEMSやUGXといった国際宅配便サービスが便利です。
小型で少量の貨物を発送する場合はEMS(イーエムエス)と呼ばれる国際スピード郵便がリーズナブル。EMSでは規定外となってしまう貨物や、複数発送、大型貨物の輸送には「UGX(ゆうグローバルサービス)」が便利。EMSでは難しかった関税の元払い・着払いなどにも対応しています。
URL:https://www.ecmsglobal-jp.com/
越境ECに特化した国際物流会社です。これまで高額だった小型貨物輸送の低コスト化を実現したことが大きな特徴です。もともとは中国で設立された会社ですが、ECMSジャパン社として日本からも国際物流サービスを展開しています。
配送ネットワークは圧倒的にアジアに強く、アメリカやヨーロッパにも一部展開しています。欧米系の国際物流会社とは異なる強みを持つ、国際物流会社です。
URL:https://www.sagawa-exp.co.jp/logistics/solution/global/
ドア・ツー・ドアで集荷から配送まで行う大手の佐川急便。国際物流においても、世界220以上の国や地域に対応し航空輸送だけでなく海上輸送サービスも提供しています。
配送先の国と地域に応じて小荷物や書類など種類に応じて細かく運賃が設定されています。重量0.5kg刻みの料金体系で、日本国内であればどの配送場所であっても統一運賃で対応可能な点も魅力です。
スピードを重視するビジネス利用での国際運送には「飛脚国際宅急便」がおすすめ。3辺合計260cm以内、50kgまでの貨物が配送可能(複数個口の場合は総重量500kgまで対応)。
その他、個人向けの貨物は日本郵便のEMS(国際スピード郵便)と提携した「飛脚グローバルポスト便」も展開しています。
URL:https://business.kuronekoyamato.co.jp/service/lineup/intl_transport/index.html
ヤマト運輸の国際貨物輸送サービスでは、航空輸送に加えて海上輸送にも対応しています。ヤマトグループのネットワークや豊富な通関実績などを活かして、世界各国からの調達物流の実現や、二国間・三国間での回収物流など様々なニーズに合わせた最適な提案も行っています。
スピードを重視した航空便貨物輸送、コンテナ単位での輸送も可能な海上貨物輸送、それぞれの特徴を活かした国際物流サービスを提供しています。世界55カ国に配送対応中。
国際物流において、案外面倒なのが通関手続き。通関の遅延は商品配送の遅れにつながり、越境ECなどのビジネス利用では購入者の満足度も左右します。通関からの問い合わせは急に生じることも多く、必ずしも即座に答えられるとも限りません。
手間をかけることなくできるだけスムーズに配送を完了したい。そんな時は、物流のプロによる独自の物流サービスを利用するのもおすすめです。
ここでは越境ECプラットフォームが提供している独自の国際物流サービスをご紹介します。
SLS (Shopee Logistics Service)とは、東南アジア地域の越境ECプラットフォームとして高いシェアを誇るShopeeが提供する独自の物流サービスです。
Shopee独自の物流網を使って、海外へ発送したい商品を現地の購入者に届けるまでの配送や通関手続きなどをShopeeが担うサービスです。
Shopeeプラットフォーム内で商品が売れたら、まずはShopeeの国内提携倉庫まで商品を発送します。その後、Shopeeが現地の配送先までの輸送手配や通関手続きなどをセラーに代わって行います。
なお、2023年12月時点でSLSが対応している配送先は、シンガポール、フィリピン、マレーシアとなりますが、現在新市場の準備も行っています
以上、国際物流の一連の流れや配送サービスを提供している会社などをご紹介しました。国際物流を上手に味方につけて、世界に向けて越境ECにチャレンジしてみては。
この記事を書いた人
Natsuko Sakurai
2拠点生活フリーランス。ロンドン、オランダ、スペイン 3ヵ国での在住や現地企業での勤務経験があり、帰国後も海外ビジネスに関わり続けています。コロナ禍をきっかけに、海外にしかオフィスのない現地企業との国際リモートワークが始まったりと、たえず働き方は進化中。