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【要注意】越境ECでのあるあるトラブル事例と解決策を解説!
2023.08.04
近年、越境ECの市場規模が急激に拡大しており、今後ますますの拡大が予想されています。
しかし、越境ECでは様々なトラブルが起こりえます。そこで、本記事では、越境ECでよくあるトラブル事例と解決策を解説していきます。
現在、越境ECでトラブルを抱えている方やトラブルを未然に防ぎたい方は、ぜひ参考にしてください。
本項目では、越境ECがサイバー攻撃やECサイトの脆弱性を狙われやすい理由と事例、注意すべきポイントを解説していきます。
越境ECサイトは、様々な国の人々が大勢アクセスします。そのため、サイトの管理に気を付けないとサイバー攻撃やECサイトの脆弱性を狙われる可能性があります。
近年はインターネットの発達に伴い、サイバー攻撃の件数は世界的に見ても年々増加傾向にあります。小さなミスや油断から一瞬にして個人情報が流出する可能性があるため、注意が必要です。
サイバー攻撃やECサイトの脆弱性を狙われて起こるトラブルには、「個人情報の流出」や「商品の不正購入」が挙げられます。
・個人情報の流出
これまでにも数々のECサイトで、お客様の個人情報やサイトに登録されていたカード情報などが流出するといった事故が発生しています。
ECサイト上から個人情報が流出すると、これまで積み上げてきた社会的信用を失ったり、流失した個人情報が第三者によって悪用された場合には損害賠償を命じられる可能性があります。
・商品の不正購入
近年、クレジットカードの不正利用による不正購入が増加しています。
特に、ブランド品や電化製品、ガジェット品などの高価な商品は、売却によって利益を出しやすいことから不正注文がされやすい商品となっているため、注意が必要です。
サイバー攻撃やECサイトの脆弱性を狙われないために注意すべきポイントは、以下の通りです。
・社員のセキュリティ教育の徹底
最新のセキュリティソフトやツールを導入していたとしても、社員のセキュリティに対するリテラシーが低いとサイバー攻撃の脅威から守りきれません。そのため、定期的に社員のセキュリティ教育を実施して、ヒューマンエラーでの内部情報流失のリスクを低下させましょう。特に、不審なメールには、要注意です。メールに添付してある不審なファイルやURLにアクセスするとウイルスに感染し、顧客情報や社内の情報が社外に流出する危険性があります。
最近は、特定の企業や組織を狙った標準型攻撃メールが増加しています。標準型攻撃メールの場合、不特定多数に送られるメールとは異なり、企業の担当者が自社の業務に関連するメールだと思い込ませるように、メール内容やメールアドレスが作られています。そのため、通常の迷惑メールよりもトラップに引っ掛かりやすいため、要注意です。
・最新バージョンのOS利用やウイルス対策ソフトの導入
OSの更新を怠っているとセキュリティが脆弱になり、サイバー攻撃を受けやすくなります。そのため、OSは小まめに最新版にアップデートし、セキュリティを高めましょう。また、ウイルス対策ソフトの導入もサイバー攻撃には有効的です。特に、最近は、ディープラーニングを活用したウイルス対策ソフトもリリースされており、マルウェアや未知のウイルスからもECサイトを守れます。
本項目では、商標未登録の越境EC事業者が多い理由と事例、注意すべきポイントを解説していきます。
商標登録は、自社の商品やサービスと他社のものとを区別するために登録します。ECの場合、販売する自社商品や自社で運営しているECサイト自体に商標登録します。しかし、知識不足や登録の手間から商標未登録の越境EC事業者が多いのが現状です。
cotobox株式会社の「越境EC事業における商標に関する実態調査」によると、越境ECで自社ブランドを販売する事業社の内、64.4%もの事業社が販売する国で事前に商標申請していない商品があったことが分かりました。
注意すべき点は、ECで販売する国ごとに商標登録をする必要がある点です。そのため、越境ECで海外販売する際は、日本国内の商標登録だけでは不十分です。
引用:cotobox株式会社
商標未登録によって起こるトラブルには、「海外で商品が販売できなくなる」「商標の無断使用」「模倣品の規制ができない」といったトラブルが挙げられます。
・海外で商品が販売できなくなる
商標未登録の状態で海外の顧客に商品を販売していると、他社に自社と同じ販売国で同じ商品を先に商標登録された場合、自社ではその商品を海外販売できなくなってしまいます。もし、他社が先に商標登録している商品と知っていながら海外販売を続けた場合、商標登録していない自社の商品が模倣品として訴えられてしまう可能性があります。これにより、賠償金を請求されたり、会社の信用の低下に繋がります。
・模倣品の規制ができない
海外で自社の商品を販売している会社を見つけた場合、販売国で商標登録していなければ、模倣品の規制ができません。それどころか、模倣品を販売している会社に先に商品を商標登録されてしまう可能性すらあります。
商標登録で注意すべきポイントは、以下の通りです。
・自社と同じ商標登録をしている企業がないか事前に調べておく
商標申請する前に、販売国で自社と同じ商標登録をしている企業がないか事前に調べておきましょう。これは、自社が他社の商標を無断使用してしまうリスクの回避にも繋がります。
・事前に販売国での商標申請を行っておく
商標登録に関するトラブル防止のため、必ず事前に販売国での商標申請を行っておきましょう。これにより、海外で自社の模倣品を販売している会社を見つけた場合の対処も可能となります。
本項目では、国内配送と海外配送の違いとそれによって起こるトラブル事例、注意すべきポイントを解説していきます。
国内配送と海外配送では以下のような違いが見られます。
表1:国内配送と海外配送の違い
国内配送 | 海外配送 | |
配送距離 | 短い | 長い |
配送料金 | 安い | 高い |
配達の質 | 質が高い | 質が低い |
このように、海外配送は国内配送と比較して配送の難易度が高いため、様々なトラブルが起こりやすいと言えます。
配送関連で起こるトラブルには、「関税」「商品破損」「配送遅延」「返品・返金」などが挙げられます。
・関税
国内配送と国際配送の大きな違いの1つは、国際配送には関税がかかる点です。そして、この関税によって多くのトラブルが発生しています。
例えば、商品に対する関税を購入者が払うことを事前に知らせていなかった事により、購入者が商品の受取をしてくれなかったというトラブルが発生しています。
・商品破損
海外の配送会社は、日本の配送会社よりも配送の質が低い会社が多いです。商品の取り扱いシールを見逃して雑に商品を扱う会社もあります。そのため、壊れた商品が届いたといったクレームが国内配送よりも多く発生します。欠陥商品が購入者のもとに届いてしまった場合、返品・返金作業をする必要があります。
・配送遅延
海外配送は国内配送よりも配送距離が長いため、配送遅延が発生しやすいです。特に、商品が関税で止められ、配送遅延に繋がるケースが非常に多いです。配送遅延が頻繁に発生すると顧客満足度の低下を招き、ショップまたはECサイト自体の評価が低下します。
・返品・返金
海外から日本へ商品を返品する際、返品にかかる料金を誰が支払うのか事前に明記していないとトラブルに繋がります。特に、海外から日本への返品送料は国内配送と比較して高額なため、トラブルの原因に繋がりやすいです。
また、「商品に欠陥があった時のみ返品を受け付ける」など商品の返品を受け付ける条件も明確にしておかないと対応作業が増えてしまいます。
配送関係で注意すべきポイントは、以下の通りです。
・関税や送料を事前に購入者に伝えておく
関税の料金や送料を事前に購入者に伝えることで、購入者との金銭的トラブルを解決できます。これによって、顧客満足度の上昇にも繋がります。
・商品の梱包を厳重にする
商品を厳重に梱包することで、配送中に商品が壊れるリスクを回避できます。特に、海外の配送業者は日本の配送業者よりも商品を雑に扱いがちのため、越境ECでは商品の梱包がより重要になります。
・配送物追跡サービスを活用する
商品の紛失や配送遅延の防止のためには、配送物追跡サービスの活用が有効的です。追跡サービスの導入によって、関税で商品が止められた際にいち早く気づき対応できます。
Shopee Japan(ショッピージャパン)では、SLS(Shopee Logistics Service)といった独自の配送サービスを提供しています。興味のある方は、ぜひ関連記事をチェックしてみてください。
本記事では、越境ECでよくあるトラブル事例と解決策を解説しました。越境ECでの商品販売は、サイバー攻撃や商標の未登録、海外配送の難しさから国内ECでの販売よりもトラブルが起こりやすいです。
そのため、本記事内で紹介したトラブル事例を事前に把握し、あらかじめトラブルの芽を摘んでおきましょう。
特に、今回紹介したトラブルの中でもサイバー攻撃やECの脆弱性を狙った攻撃は、1回のミスや被害で失うものが大きいため、入念な対策をおすすめします。
この記事を書いた人
慈雨(じう)
IT、ファション、ECサイト関連の記事をメインに執筆しています。
「シュークリームとスニーカーが好きな20代男子です。」