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越境ECでオーダー数 20倍も。女性向け商品の海外展開と今後の可能性

2023.06.28


越境ECでオーダー数 20倍も。女性向け商品の海外展開と今後の可能性

女性向け商品のEC販売において、成熟しきった国内市場でどうやって売上を伸ばそうかと頭を抱えている企業も多いのではないでしょうか。販路を拡大する隙間がないほど成熟しきった国内市場に比べて、海外市場にはまだ大きな可能性が残されています。

 

外出規制が緩和された今、遠出や出社する人が増えています。それに合わせるように、女性向け商品の越境ECオーダー数も劇的に増えています。

 

なかでも注目したいのが東南アジア。世界の経済成長は鈍化しているにも関わらず、東南アジアの国々では比較的高い成長率を維持しています。さらに女性の社会進出も進んでおり、購買力や購買決定権も向上中。

 

本記事では、女性向け商品の海外展開の可能性と、実際に越境ECで売上を短期間に伸ばした企業事例も紹介します。中国や米国については既出の情報も多いので、今回は近年急成長を遂げている東南アジア市場について解説していきます。

 

東南アジアのEC市場は女性が牽引

東南アジアのEC市場は女性が牽引

国際金融公社(IFC)が発表したレポートによると、東南アジアのEC市場では、2025年から2030年の間に女性が2,800億ドル以上を牽引する可能性があるそうです。

 

2015年以降、東南アジアのEC市場規模は3倍になっており、今後もさらに3倍の勢いで成長すると見込まれています。こうした背景のなかで、東南アジアでは女性の社会進出が進んでいることも、女性の購買力を急速に押し上げている要因のひとつです。

 

東南アジアでは、国を挙げてEC市場を成長させるために施策に取り組んでいるケースも多くあります。さらに若い世代へのIT教育にも力を入れているため、一過性ではない長期的な成長にも期待できます。

 

ECは新しいテクノロジーを反映するスピードが非常に早い分野です。新しい戦略をいち早く取り入れ、変化に対応できた国や企業が今後ますます有利になっていくでしょう。

 

女性の購買力が向上し、質重視の消費へ転換

これまでは「低価格・低品質」というイメージを抱く人も多かった東南アジア市場。しかし、ここ数年の劇的な経済成長により、様子はガラリと変わっています。

 

世界の経済成長率が鈍化する中でも、特にインドネシア、マレーシア、タイ、フィリピン、シンガポールのASEAN-5の国々では比較的高い成長率を維持しているのです。

 

また、国際通貨基金(IMF)によれば、ASEAN-5諸国の実質GDP成長率は、2022年、2023年にかけて約5%の成長率を見込んでいるとされています。対して先進国のGDP成長率は、2022年は2.4%、2023年は1.1%前後にとどまるとされており、ASEAN-5諸国の成長の勢いが浮き彫りとなっています。

 

こうした経済成長により、東南アジアにおける個人消費額が増え、世帯所得も大幅に伸びてきています。下記が、国際通貨基金による世界経済見通し(WEO)のデータです。

世界経済見通し(WEO)のデータで

このグラフから、東南アジア各国の国別所得は右肩上がりで増加していることがわかります。成長率に着目すると20年間でマレーシアは3倍、インドネシアは6.6倍の成長です。所得金額においては、マレーシアにおける所得が高水準になってきていることがうかがえます。

 

次に、世界銀行による女性の労働力率に関するデータです。下記のグラフに2022年9月現在のアジアの女性の労働力率が示されています。

 

ベトナムを筆頭に、タイやインドネシアでは日本と同水準かそれ以上、マレーシアでも50%を超える水準をマークしています。こうした数値を見ると、東南アジアの女性の社会進出が進んでいることがわかります。

女性の労働力率

こうした背景から、東南アジア諸国では女性が自分で稼げるようになり、その結果として購買力が大きく向上していることがわかります。

 

それに伴って、以前よりも「」を重視した消費にシフトしてきています。特に子どもを持つ女性層では、「子どもによりよい環境を」との思いから商品を選ぶ傾向も強くなってきているようです。

 

越境ECの商品トレンドは女性服。オーダー数は1994%増加

見出しの1994%という数字を見て、「何かの間違いでは?」と思われたかもしれません。そのくらい桁違いな成長率を記録しているのが東南アジアの越境EC市場です。

 

Shopeeが先日発表した2023年第一四半期の日本越境商品のショッピングトレンド調査によると、成長率の高さで圧倒的だったのがレディース服の下着・ランジェリー商品。2022年と比較するとオーダー数は+1994%の伸びを記録し、著しく成長していることが判明しました。

越境ECの商品トレンドは女性服。オーダー数は1994%増加

 

こうした大幅な急成長の背景には、東南アジア諸国の外出規制の緩和が関係しています。出社や遠出をする人が増え、外出に必要なレディース服や関連商品の需要が高まりました。

 

越境ECにおける販売において、これらのジャンルの商品は今後しばらくは堅調に成長を続けると予想されています。

 

女性向け商品における越境EC成功事例

女性向け商品における越境EC成功事例

それでは、ここからは越境ECを通じて実際に海外展開を行う日本企業の成功事例をご紹介していきます。

 

SHIROHATO – 株式会社 白鳩

SHIROHATO」は株式会社 白鳩が運営する、女性のインナーアイテム(ブラジャーなど)を販売するECサイト。国内市場の成熟によりなかなか販売が増えていかないという課題を打開するために、越境ECを使った海外販売の取り組みを開始しました。2022年からShopeeを通じて東南アジアへの販売を開始し、3ヶ月という短期間で売上を大きく成長させました。

 

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中国市場に壁を感じ、次の一手として東南アジアへ進出

SHIROHATOでは、国内市場における販売チャネルが成熟していることに壁を感じ、2013年より海外へのモール出店の強化を始めます。海外展開当初は中国への販売でスタートを切りましたが、浮き沈みの激しさやコロナの影響などによる需要の落ち込みから、思うほど売上が上がらなくなってきていたといいます。

 

そこで新たな施策として、2022年よりShopeeを通じて東南アジア圏への海外展開を開始しました。

 

低価格で機能性のあるラインが刺さった

SHIROHATOでは、メーカーから仕入れた商品の販売やプライベートブランド商品の販売を行っています。豊富な商品取扱い数が魅力で、強みになっています。

 

SHIROHATOのプライベートブランドには、コンセプトの異なるブランドがいくつかあるのですが、Shopeeで今よく売れているブランドは「Mon cher pigeon(モンシェルピジョン)」だといいます。

 

こちらは低価格帯のブラセットやブラジャーを扱うブランドで、「低価格だけど可愛い」「日常使いできる」という商品が中心です。低価格でも機能性もあるというところが、Shopeeの女性ユーザー層にちょうど刺さったようです。

 

越境EC成功のカギは現地女性に合う品揃えと丁寧なサポート

越境EC成功のカギは現地女性に合う品揃えと丁寧なサポート

それでは具体的にどのような手法でSHIROHATOは越境ECで東南アジア女性のニーズを掴んでいったのでしょうか?

 

現地商品より割高でも、可愛さで勝負できる

日本メーカーが越境ECを行う際に「自社商品は、現地の商品より割高になってしまうのでは?」と気にされるかもしれません。

 

SHIROHATOの商品も、今はまだ現地の商品と比べると少し高いのですが、商品の可愛さで差別化に成功しました。

 

現在主に展開しているシンガポール市場では、ブラジャーはシンプルで装飾の少ないものがほとんど。しかしSHIROHATOの商品はレースなどの女性らしい装飾も多いので「こんな可愛い商品があるのか」とか「下着でも意外とオシャレができるんだ」という気づきがフックとなり、現地のニーズを開拓できました。

 

また越境ECプラットフォームとして、Shopeeは他社サイトとくらべて関連商品の合わせ買いや複数商品の購入も多いといいます。複数買いだと送料も抑えられるので、出店者側としてもメリットが大きいこともShopeeの利用を続ける理由となっています。

 

越境ECではスピード感も大事

国内販売と越境販売の大きな違いは、スピード感。国内販売と比べると、越境ECでは売れる商材のスパンが短い場合も珍しくありません。

 

数多くの販売チャネルで越境ECに取り組んできたSHIROHATOも同じような印象を抱いており、「売れる時は一時的にすごく売上が上がるのですが、冷めるのも早い印象がある」といいます。

 

大きく購入される可能性はあるものの、気持ちの移り変わりも非常に早い越境EC。こうしたマーケットで売上をアップさせるには、スピード感のある対応も非常に大切となります。例えば、大型セールなどの大事なタイミングで商材を揃えておく、売れ筋はすぐに補充する、お客様からの質問にはすぐに答える、などです。

 

サイズ感などの疑問に答えるサポートで売上アップ

SHIROHATOが取り扱うのは女性のインナーアイテム。サイズ感やフィット感も購入の決め手となる分野です。「サイズが合わないのでは?」「どんなフィット感なのだろう?」と疑問を持つ人も多いはず。

 

実際の店舗で試着ができない越境ECでは、こうしたユーザーの不安や疑問に答えることが売上アップにつながります。

 

SHIROHATOでは基本的には言語ができるスタッフがお客様対応をしていますが、時には翻訳サイトを使ってお客様に返答することも。東南アジアのマーケットでは、英語が第一言語でない人も多く、またアジアという地域柄、お客様も優しい方が多いと感じることもあるようです。返答するごとに細かな質問を何度もする方もあまりおらず、クレームも少ないそう。

 

Shopeeはお客様とのコミュニケーションがやりやすいサイトだと感じているそうです。

認知度不足は広告 × 大型セールで解決、オーダー数20倍に

認知度不足は広告 × 大型セールで解決、オーダー数20倍に

現在は売上も大きく成長したSHIROHATOですが、東南アジアへの越境ECを開始した直後は現地の女性にまだ認知してもらえておらず、検索でもなかなか見つけてもらえない状態でした。

 

認知度不足という多くの日本企業が直面しがちな状況を打開したのが、Shopee Adsのディスカバリー広告。越境ECショップの立ち上げ当初から、広告を活用してたことで3ヶ月という短期間で大きく成長をすることができました。

 

さらに大型セールを掛け合わせることで、オーダー数はなんと20倍にもなったといいます。

 

東南アジアでは大型セールが盛んで、普段と比べて10倍〜20倍のオーダー数となることも。これまで購入したことのない初めてのお客様もセールの時期なら気軽に購入しやすいため、新規顧客獲得のチャンスでもあります。

 

Shopeeでは11月11日、12月12日などのゾロ目の日に大型セールを開催。下記が下半期における主なセール日程です。

  • 9.9 Super Shopping Day(スーパー・ショッピング・デイ)
  • 10.10 Brands Festival(ブランズ・フェスティバル)
  • 11.11 Big Sale(ビッグ・セール)
  • 12.12 Birthday Sale(バースデイ・セール)

 

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こうした大型セールで成功するためには、ショップの認知度と購買意欲を事前にしっかりと上げておくことが大切です。そのためには数ヶ月前から準備が必要となり、事前の広告対策が大型セールでの売上を左右します。多くの企業が力を奮って参加する大型セールで勝ち抜くためには、早めの準備がカギとなります。

 

ショップ立ち上げ直後のSHIROHATOではShopee Adsを利用されましたが、その他にも様々なマーケティング施策があります。ライブストリーミング、フラッシュセールの他に、東南アジアでユーザー数の多いFacebookを活用したコラボレーション広告など、現地のニーズに合わせた独自の施策もあります。

 

数々の広告やマーケティング施策選びで迷ったら、自社の商品やターゲットに合いそうなものを色々と試し、効果測定をしながら最適な施策を探していくのもよいでしょう。

 

越境EC出店者へもサポート充実、少人数でも海外展開を実現できた

越境EC出店者へもサポート充実、少人数でも海外展開を実現できた

越境ECを通じた海外進出にチャンスがあることは理解しているものの、日々の運営に不安や疑問を感じる人もいるかもしれません。

 

そんな企業こそ、サポート体制がしっかりしている越境ECプラットフォームの利用がおすすめです。

 

Shopeeでは出店者への日本語サポートを行っているため、運営で直面するさまざまな疑問を担当者に気軽に相談できます。他の越境ECプラットフォームでは日本語によるきめ細かなサポート体制がない場合も多く、日々の疑問が解決できないことが理由で撤退してしまう場合も。

 

Shopeeでは知識と経験豊かな担当者によるセミナーなども無料で開催しているので、費用をかけずに刻々と変化する市場情勢なども理解することができます。

 

変化の多い現代では、越境ECや取り巻く環境も刻々と変化しています。運用中に生まれるさまざまな疑問をタイムリーに相談できる窓口があることで、社内で悩む時間を短縮でき、その結果として少人数での越境EC運営も可能になるのです。

 

女性向け商品の国内市場が飽和状態の今、可能性や伸び代が残されている越境ECに一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

 

Shopeeは東南アジア・台湾で、最大規模のEコマースプラットフォームです。

日本からシンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、台湾の5カ国に出店可能です。

東南アジアに向けた越境ECについては、Shopee Japan(ショッピージャパン)にご相談ください。

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この記事を書いた人

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Natsuko Sakurai

2拠点生活フリーランス。ロンドン、オランダ、スペイン 3ヵ国での在住や現地企業での勤務経験があり、帰国後も海外ビジネスに関わり続けています。コロナ禍をきっかけに、海外にしかオフィスのない現地企業との国際リモートワークが始まったりと、たえず働き方は進化中。

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