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Shopeeオーダーキャンセルとペナルティについて知るべきポイント
2024.11.29
越境ECでは、さまざまな理由からオーダーキャンセルが生じる場合があります。キャンセルが頻繁に生じるセラーにはペナルティがあり、深刻な場合は出品制限やアカウント凍結となるケースもあります。
どんな場合にキャンセルが生じるのか、またできるだけキャンセルを避けるには?
本記事では、オーダーキャンセルの仕組みやペナルティ制度など、Shopeeセラーが知っておきたいポイントについて総合的に解説していきます。
本記事では、現時点のできるだけ正確な情報提供を心掛けておりますが、国際情勢や各国の法規制の変更などにより、今後何らかの変更が生じる可能性もあります。利用者は各自、最新情報を確認するようにしてください。
Shopeeおよび執筆者は利用者の確認不足によって発生したいかなる損失に対しても責任を負いかねますのでご了承ください。本記事で提供している情報は、利用者の判断・責任においてご参照ください。
海外の消費者へ向けた越境ECでは、配送遅延や文化の違いなど、様々な要因でオーダーキャンセル(注文の取り消し)が発生することがあります。
Shopeeにおけるオーダーキャンセルは、主に下記の3タイプがあります。
① 購入者のリクエストによるキャンセル
② セラーの自己都合(在庫切れなど)によるキャンセル
③ システムによる自動キャンセル
システムによる自動キャンセルは、主に、Shopeeが定める指定期限までにセラーまたは購入者から必要な対応がなされなかった場合に生じます。
Shopeeでのキャンセル手続きの流れには ①購入者がキャンセルを行う場合 ②セラーがキャンセルを行う場合の2タイプがあります。
① 購入者がキャンセルを行う場合
注文をしてから商品を受け取るまで、購入者はさまざまなタイミングでキャンセルのリクエストができます。
■ キャンセルができる時期
購入者は商品が出荷される前であれば、いつでも即時キャンセルが可能です。
商品が出荷される前とは、商品がセラーから配送業者に引き渡される前のこと。つまり、無在庫セラーは商品を取り寄せている間にキャンセルを受ける可能性もある点に注意が必要です。(できるだけ時間をかけずに商品を取り寄せるよう心がける)
また、セラーが発送処理をしておらず(=管理画面上で「Arrange Shipment」が押されていない)、かつ即時キャンセル期間を経過していない場合も、購入者は即時キャンセルすることができます。
*【更新】購入者のキャンセル期間延長(配送業者によるスキャン前まで即時キャンセル可能)についてはこちら
出荷完了後も購入者はキャンセルのリクエストが可能です。ただ、購入者からのキャンセルリクエストに応じるかどうかは、セラーの判断次第となります。
即時キャンセル期間と購入者からのキャンセルリクエストへの回答期限は、マーケットによって異なります。詳しくはこちらをご確認ください。
購入者の即時キャンセル・キャンセルリクエストへの回答期限についてより
……といった場合も、商品出荷後のキャンセルリクエストと同様の扱いとなります。
*注意:下記の場合は、キャンセル・リクエストへの回答期限を過ぎるとシステムにより自動的にキャンセル扱いとなります。
*返品・返金に関しては、こちらをご確認ください。
■ キャンセル・リクエストへの管理
オーダーのキャンセルは、管理画面(セラーセンター)のOrder >Cancellationのページから確認できます。
Cancellationのページには以下の3つのタブがあります。
1) All
「All」のタブには、これまでにキャンセルされたすべての注文が表示されます。(キャンセル手続き進行中の注文も含みます)
2) To Respond
「To Respond」のタブには、対応が必要な注文が表示されます。購入者からのキャンセル・リクエストを受け、回答期限が近づいている注文から順に並んでいます。
3) Cancelled
キャンセル手続きが完了した注文は、「Cancelled」のタブに表示されます。
■ キャンセルリクエストへの対応
キャンセルリクエストを受けたら、回答期限は基本的に2日間となります(ベトナムは除く)。回答期限内にセラーが返答しなければ、システムが自動的に購入者のキャンセルリクエストを受理します。
キャンセル・リクエストへの対応漏れがないように、「To Respond」のタブを確認しましょう。
Order Details ページの「Reason from Buyer」からキャンセル理由を確認し、購入者からのキャンセル依頼を拒否するか受け入れるかを判断・決定します。
② セラーがキャンセルを行う場合
セラーによる注文キャンセルはできるだけ避けたいものですが、下記が主なケースに該当します。
1) 在庫切れ(Out of Stock)
2) セラーが発送期限内に発送できず、システムによって自動的にキャンセルされた
3) セラーから購入者へキャンセルをチャット対応で促す
なお、Shopeeではアカウントの健全性を保つため、上記 1)~3)のすべてにおいて、セラーはペナルティが課されます。ペナルティポイントによってショップ運営に関するさまざまな制限が生じることがあります。
詳しくは、アカウントヘルスの確認(ペナルティポイント)をご確認ください。
Shopeeではペナルティ制度をもうけ、さまざまな角度からセラーのパフォーマンスを分析し、運営基準を満たしているか確認しています。
商品出品後、受注から発送の間にペナルティ・ポイントの加算対象となる主なケースは以下の通りです。
①発送遅延 または 発送されなかった
②カスタマー対応
* ペナルティ制度について、詳しくはペナルティポイントガイドをご確認ください。
Shopeeが定める対象期間ごとに、ペナルティの累計ポイントによって対応が決まります。ペナルティが課される場合、累計ポイントに応じてペナルティ内容が決まり、28日間継続されます。28日後、セラーが規則を適切に遵守していると判断された場合は、すべて正常に戻ります。
累計ポイントによっては、アカウント凍結の措置がなされる場合もありますので注意が必要です。
なお、Shopee上でさまざまな優遇を受けられるPreferred Sellerは、累計ペナルティポイントが3点を超えると「Preferred Seller」の資格を失います。
自動キャンセルの条件・仕組み
自動キャンセルの防止策など
返品とキャンセル、どちらも場合によっては返金をともなうものですが、種別の違いは購入者が商品を受け取ったかどうかで決まります。
Shopeeにおける、返品とキャンセルの違いを下記にまとめました。
返品 | キャンセル |
商品受け取り後 | 商品受け取り前(商品未受領) |
購入者が商品を受け取った後の、返品依頼
など |
購入者が商品を受け取っていない状態での、キャンセル依頼
など |
商品受け取り時に購入者からキャンセルの申し出がある場合があります。その理由によって、購入者は「返金のみ」 または「返品と返金」のどちらかを選択できます。
Shopee返品・返金ポリシー
① 商品未受領(Non-Receipt)
返金のみ
② 商品が破損している/その他(購入者の心変わりなど)
返品と返金
③ 商品の不足・欠品の場合
「返金のみ」または「返品と返金」を購入者が選択できる
④ 偽造品・不正商品
返品と返金
⑤ 20USD(米ドル)以下の商品代金・国際返品不可の商品
返金のみ
購入者からのリクエストを受けたら、セラーは裏付けとなる証拠資料を提出するなどの対応が必要となります。
*注意:2024年10月現在、日本への国際返品・返送サービスは一時停止中です(サービス再開の時期は未定)。返品対応の際は、商品がセラーのもとへ戻ってこないため注意が必要です。
詳細は購入者による返品・返金リクエストのポリシーとプロセスをご確認ください。
注文をうけた商品を発送したものの、購入者が受け取り確認をしてくれない……。Shopeeでは商品発送後、購入者がシステム上で受け取りボタンを押すことで、売上が確定します。そのため、購入者が商品を受け取らない、受け取り確認をしてくれないとセラーは売上金が得られないという状況が発生してしまいます。
そのため、商品を発送するだけでなく、確実に商品を購入者の手元に届け、受け取り確認をしてもらうまでセラーは注意を払い続ける必要があります。
配達先の住所や購入者の連絡先を正しく登録してもらうことはもちろん、セラー側も発送時に配達情報に誤りがないかダブルチェックをしておくとスムーズです。また、配達にあまりに時間がかかる場合は、通関や現地で貨物が止まっていないか適宜追跡することも大切です。
■ 受取拒否時の対策方法
購入者が登録した住所に正しく配達したものの、何らかの理由で購入者側から受取拒否をされる場合があります。国境を超えて配送する越境ECでは、返送自体難しく、仮に返送があったとしても、少額の商品であれば、国際返送にかかる費用が商品代を上回ってしまう場合も多いでしょう。
対策としては、購入者からの受取拒否をされないよう日頃からチャットなどでこまめなコミュニケーションを図り、顧客との関係を築いておくことが大切です。その際、購入者側になにか不満があるようであれば、クーポンなどの活用も視野に入れ、どのような顧客対応がもっともダメージを最小化できるのか考える必要があるでしょう。
Shopeeではペナルティ制度を設けており、キャンセルが続くとペナルティポイント加算され、累積ペナルティポイントが15点に達するとアカウント凍結となります。
【Shopee Japan】 ペナルティポイントガイド 2022年7月版 より
Shopeeのポリシーや規則を守れていない状態が続くと、ペナルティポイントが加算されていきます。
原因
例えば、商品の受注〜発送の間にペナルティポイント加算につながる主な行為としては
などが挙げられます。
*その他、商品リスティング、カスタマー対応、購入者を欺く行為などでもShopeeのポリシー・規則に違反するとペナルティポイントが加算されます。詳しくは 【Shopee Japan】 ペナルティポイントガイド 2022年7月版 をご確認ください。
対策
アカウント凍結やペナルティポイントの加算を防ぐには、最新のShopeeのポリシー・規則を確認し、規則に則った対応をしていれば問題ありません。
例えば上記の商品の受注〜発送なら、
といった対応ができるでしょう。
アカウント凍結、または各ペナルティの内容は28日間続きます。
ですので、ペナルティポイントが累積してしまったら、ひたすら待つしかありません。また、その間に新たにペナルティとなるような行為をしないよう注意が必要です。
28日後、セラーが規則を遵守していると判断された場合は、アカウントは正常に戻ります。
また、ペナルティポイントは3ヶ月ごと(1月・4月・7月・10月)の第1月曜日にゼロにリセットされます。
キャンセルに際し、よくある質問やつまずきやすいポイントを下記にまとめました。
購入者からのキャンセル(返品・返金も含む)リクエストを受けると、Shopeeの管理画面から確認することができます。下記のように、ステータスごとにタブが分かれ、一覧で表示されます。
ステータス | 説明 |
All (すべて) | 新規、進行中、完了を含む、すべてのリクエスト |
New Request (新規リクエスト) | Shopeeが確認中のリクエスト |
To Respond (回答待ち) | セラーによるレビューや対応が必要なリクエスト |
Responded (回答済み) | セラーによる回答は済んだが、Shopeeによる追加確認、または購入者の対応が必要なリクエスト |
Completed (完了) | 解決済み、または終了したリクエスト |
キャンセルや返品・返金の理由によって、さまざまなプロセスがありますが、上記のステータスが「Completed(完了)」となった時に、返金などの最終対応が確定します。
キャンセルや返品・返金については、セラーと購入者だけでなく、適宜Shopeeの承認が必要となります。またその過程で、Evidence(証拠書類)の提出が必要となる場合もあります。いずれの場合も、Shopeeが定めた回答期限をすぎると自動キャンセルになることもあるため、新しいリクエストを受けたら、期限内に対応するよう心がけましょう。
詳しくは Shopee Seller Edication Hub 「返品・返金について」をご確認ください。
海外におけるキャンセルポリシーの違いについて留意しておきたい点を下記にまとめます。
越境ECは国境を超えた海外とのやりとりが発生するため、日本とは異なる点も多々あります。キャンセルポリシーにおいても同様です。
特に配送においては、国内よりも日数がかかり、色々な過程を経て購入者のもとへ届けられるために不確定要素も高まります。例えば、通関、輸送機関のストライキ・不通、天候異変、現地の配送手段などは日本と大きく異なる点でしょう。
例えば、台湾では、消費者保護法(クーリングオフ制度)によって消費者の権利が守られています。購入者が商品を受け取った日の翌日から7日以内(7日目が日・祝祭日の場合は、翌日に延長)なら、無条件で返品が可能です。インターネットショッピングも対象であるため、Shopeeの購入商品も対象となります。
*詳しくは、【台湾】消費者保護法(7日間のクーリングオフ制度)について をご確認ください。
このように、海外では日本とは異なる法律や規則に基づくキャンセルポリシーがあるため、セラーは販売先の国の最新情報を把握することが大切です。
以上、Shopeeにおけるオーダーキャンセルの仕組みやペナルティ制度などについて解説しました。返品や返金を伴うオーダーキャンセルは、さまざまな手続きやコストを伴い、さらにキャンセル行為が重なるとアカウント凍結のリスクもあります。
健全なビジネス運営を行ううえで、オーダーキャンセルはできるだけ避けたいもの。オーダーキャンセルを避けるには「商品管理」「配送の徹底」「顧客満足」に注力することが有効な対策となります。
商品管理
配送の徹底
顧客満足
このようにまとめると、日頃の心がけでオーダーキャンセルは防げる部分も多いことがわかります。
日本とは異なる点も多い越境ECですが、その分ビジネスチャンスもあります。本記事で紹介したようなポイントに留意しながら、積極的なShopee運営を行い、日本にはないチャンスを掴んでみては。
この記事を書いた人
Natsuko Sakurai
2拠点生活フリーランス。ロンドン、オランダ、スペイン 3ヵ国での在住や現地企業での勤務経験があり、帰国後も海外ビジネスに関わり続けています。コロナ禍をきっかけに、海外にしかオフィスのない現地企業との国際リモートワークが始まったりと、たえず働き方は進化中。