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中小企業における越境ECの取り組み状況|事例も解説!
2023.06.21
近年中小企業では売上拡大のため、越境ECに取り組むケースが増えています。
しかし、いざ越境ECに取り組みたいと思っても、具体的に何を取り組めばいいかわからない方も多いのではないでしょうか?
今回は中小企業における越境ECの取り組み状況について、事例も含めて解説します。
越境ECへの取り組みを検討している企業はぜひ参考にしてください。
近年中小企業で越境ECに取り組むケースが増えています。
以下のアンケートによれば、「越境ECを利用したことがある」「越境ECの利用を拡大する」と回答している中小企業は2年連続で大企業を上回っています。現在越境EC利用のある企業に対する質問に関しても、更なる拡大・維持において、常に中小企業が大企業を上回っています。
今後の越境EC利用の予定についても、2022年度で更に差が開いていることが確認できます。中小企業の方が、海外販売に対してのハードルが低かったり、体制の柔軟性があるように思います。
引用:ジェトロ「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(2021年度)」ジェトロ「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(2022年度)」
越境ECに取り組む中小企業は増えているものの、同時に課題を感じている企業も多くあります。
ジェトロの「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(2022年)」によれば、中小企業におけるEC利用の課題として「販売先国・地域に関する情報不足」や「物流や通関、関税支払い、返品にかかるリスク」など数多くの課題があると回答しています。
引用:ジェトロ「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(2022年度)」
上記のグラフによれば、中小企業は全項目で大企業よりも課題を抱える割合が多いことがわかります。
また、海外向けでECを利用する企業(越境EC)では、特に「自社ブランド認知度向上の難しさ」を掲げている企業が多い結果です。
中小企業が越境ECに取り組む際は、上記の課題に対して適切な対策を取る必要があります。
越境ECに取り組む中小企業の多くが、第三者が提供するプラットフォームで活動しています。
ジェトロの2021年度「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」によれば、B2B向けビジネスを展開する中小企業の越境ECでは、71.7%が「第三者が運営するプラットフォーム」を利用しています。
引用:ジェトロ「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(2021年度)」
越境ECはECサイトを通して行われるケースが一般的ですが、自社ECサイトを構築するためにはサーバー構築など多額のコストや手間がかかる点がデメリットです。
その点、ECモールのような第三者が提供するECサイト・プラットフォームを活用すれば、上記のコストや手間がかからず、すぐに越境ECを始められます。
初期費用やECサイト構築の手間を省けるため、リソースが限られる中小企業は第三者が提供するプラットフォームを活用するケースが多くあります。
日本の中小企業における越境ECの取り組み事例を、以下3つ紹介します。
「SAMURAI STORE」は、甲冑や刀剣類を販売する日本企業です。
侍など日本文化を象徴する商品は海外でも人気が高く、越境ECでも多くの商品が取引されています。
最近では大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・エンゼルスにホームラン・セレブレーション用のアイテムとして兜を提供したことでも話題となりました。
2001年より自社サイトで越境ECに取り組み始め、海外向けに甲冑や刀剣類を販売。
特徴はGooglePayやPayPalなど世界的に普及率の高い電子決済方法を採用している点です。
普及率の高い決済方法を採用することで、「商品を買いたいけれども決済手段がない」などの問題を防ぎ、消費者が購入しやすい工夫をしています。
これらの決済方法は決済時の基本情報入力を簡単に済ませられる点も特徴で、情報入力の煩雑さによる離脱を防止できる点も大きなメリットです。
「ヤーマン」は、高機能な美容家電を扱う日本企業です。
中国の大手ECモール「天猫国際」に出店し越境ECに取り組んでいます。
特徴は、ライブ配信で商品を紹介しながら販売を行う「ライブコマース」に取り組んでいることです。
商品情報ページだけでは伝わらない商品の使い方などをライブ配信で紹介することで、商品購入後のイメージを明確にし購買意欲を高める工夫をしています。
10〜20代の若い中国女性を中心に、大きく自社商品の売上を伸ばしています。
参考:「ヤーマン」
株式会社デファクトスタンダードは、国内のブランド品買取・販売サービスを運営する日本企業です。
越境ECモール「Shopee」に出店し、東南アジア・台湾を中心に自社で買い取った中古ブランド品を販売しています。
越境EC開始時はBeeCruiseの出店サービスを利用し、出店時の作業はもちろん店舗運営に必要なカスタマーサポートや国際配送もサポートを依頼。
少ない手間で越境ECを開始し、商品販売にリソースを集中させ売上拡大に努めています。
また、キャンペーンを有効活用しており、ユーザーの反応を確認しながらキャンペーンのクーポン設定を高めに設定。
PVやユニークユーザーを施策実施前より2〜3倍伸長させ、大きく売上を伸ばしています。
出店の効率化とキャンペーンの有効活用で、売上を伸ばしている事例です。
越境ECを成功させるポイントは、主に以下の6つです。
越境ECを成功させるためには、専門的なプラットフォームの活用が効果的です。
越境ECに特化したプラットフォームを利用することで、自社ECサイトを立ち上げる手間を省けるなど、効率的に越境ECを始められます。
また、これらのプラットフォームは国境を越えた取引をサポートする機能を数多く提供しています。
具体的な機能例は、以下の通りです。
越境ECに特化したプラットフォームを選ぶことで、海外販売や物流の手続きをスムーズに行えるでしょう。
越境ECの売上拡大には、SNSなどでの認知向上が欠かせません。
特にSNSは、効果的なマーケティング手法の1つであり、認知度を高めるために多くの企業が活用しています。
販売対象国でよく使われるSNSを駆使して情報発信を行い、認知拡大を図ることで効率的に集客できます。
例えば、東南アジア各国では以下のSNS利用率が高く、これらSNSを活用することで効果的に認知拡大を図れるでしょう。
国名 | 利用率の高いSNS |
ベトナム |
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フィリピン |
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タイ |
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マレーシア |
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シンガポール |
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インドネシア |
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参考:DIGITAL 2021: THE PHILIPPINES/
適切なSNSプラットフォームを選び、ターゲット市場に合わせたマーケティング戦略を展開しましょう。
魅力的なコンテンツやインフルエンサーとのコラボレーションを通じて、ブランドや商品の価値を伝え、購買意欲を喚起することも重要です。
以下記事でSNSを含めたECマーケティングについて詳しく解説しているため、気になる方はぜひチェックしてください。
越境ECでは、現地のニーズに適した商品を選ぶことが成功の鍵です。
各国や地域の文化やトレンドを理解し、それに基づいて商品の選定を行いましょう。
現地の消費者の好みや需要を把握し、ニーズに合わせた商品を提供することで、市場での差別化を図れます。
そのためには、現地でのマーケットリサーチや顧客のフィードバックを積極的に収集し、商品の改善に反映させることも必要です。
越境ECの成功には、現地の法律や関税に関する情報を把握することが欠かせません。
現地の法的要件や規制、税金に関する知識を持つことで、不必要なトラブルを避けられます。
具体的な商品の輸入や輸出に関わる制限や手続きを理解し、正確に遵守することが重要です。
現地の専門家やコンサルタントのアドバイスを受ければ、より確実に法的な問題を回避しやすくなります。
越境ECを成功させるためには、インバウンド需要を押さえることが重要です。
訪日旅行者がどのような商品やブランドに関心を持っているかを調査し、それに合わせて商品を販売しましょう。
訪日旅行者が日本で購入した商品を気に入れば、その商品のリピート購入を狙えるからです。
ECサイトも訪日旅行者の言語に対応させることで、よりインバウンド需要を取り込みやすくなります。
越境ECを成功させるためには、日本らしいカスタマーエクスペリエンスを提供することが重要です。
日本のカスタマーサポートは信頼性に優れていると海外から評価されており、高品質なサポートを提供することで、リピーターを獲得することもできます。
顧客に対して丁寧で迅速なサポートを提供し、信頼関係を築くことが重要です。
また、日本の美意識や文化を伝えるパッケージやブランディングを行うことも効果的です。顧客に特別感や満足感を提供することで競争力を高め、自社のファンを増やせます。
多くの中小企業が越境ECに取り組んでおり、売上を拡大させています。
中小企業の多くは第三者の提供するプラットフォームを利用しており、コストや手間を省きながら効率的に越境ECへ取り組んでいます。
Shopeeでは豊富な決済方法や多言語対応、国際配送のサポートなどサービスも充実しており、越境ECが初めてでも安心して取り組めるでしょう。
SNSでの認知向上を図るなどポイントを抑え、越境ECで売上拡大を目指しましょう。
この記事を書いた人
H.F
マーケティング分野を中心に複数のメディアで記事を執筆しているフリーランスのWebライター。
製薬会社での勤務経験もあり、医療・健康関連の記事執筆なども行っています。
自分を一言で表すと:地道でマイペースな努力家