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越境ECにおける日本企業の強みと弱みは?日本企業の成功事例も解説!
2023.03.28
越境ECはインターネットを通じて海外顧客に商品を販売する手法です。
越境ECでは数多くの日本製品が取引されており、その商品力が海外からも高く評価されていますが、一方で日本企業ならではの弱みもあります。
今回は越境ECにおける日本企業の強みや弱みについて、日本企業の成功事例も交えて解説します。
越境ECで売上拡大を考えている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
越境ECは世界中で市場規模が拡大傾向にあります。
経済産業省の報告によれば、2019年の世界の越境EC市場規模は7,800億USドル(約86兆円、2019年時レートで計算)と推計され、2026年には4兆8,200億USドル(約658兆円、2023年3月時レートで計算)まで拡大することが予測されています。
年平均成長率は30%ほどと想定されており、世界のEC市場規模の成長率を上回る拡大ペースです。
また、同報告によると、日本・中国・アメリカの3カ国間における越境ECの総購入額は以下の通りです。
このうち日本から越境ECで購入した額は、中国が2兆1,382億円、アメリカが1兆2,224億円であり、非常に大きな取引額です。
越境ECの市場規模が拡大傾向にあり、日本製品の人気の高さから考えると、早期に越境ECに参入した方が良いでしょう。
越境ECのメリットは、以下の5つが挙げられます。
EC事業で売上拡大を目指すためには、越境ECの活用がおすすめです。
1つ目のメリットは、初期コストを抑えて始められる点です。
海外で実店舗を展開すれば、土地代や店舗の設営費など多くの初期コストがかかります。
一方で、越境ECの場合はインターネット上で商品を販売するため、上記の物理的コストが一切かかりません。
既に国内でEC事業を展開していれば、商品をゼロから用意する必要もなく、初期コストを抑えて海外のユーザーに商品を販売できます。
2つ目のメリットは、実店舗の集客につながることです。
越境ECを通して商品を販売した場合、購入客が訪日した際に実店舗へ足を運んでくれる可能性があります。
逆に、外国人観光客が日本の実店舗で買った商品を、再度インターネットで購入してくれるケースなど、インバウンド需要を取り込める可能性もあるでしょう。
越境ECを行うことで、オンラインとオフラインの双方向に送客効果を生み出せます。
3つ目のメリットは、競合が少ない環境でビジネスを展開できることです。
商材にもよりますが、日本国内で流通する商品はどれも競合他社が多数存在します。
一方で越境ECで海外の顧客をターゲットにした場合、日本にしかない製品も存在するため、競合の少ない環境でビジネスを展開できる可能性もあるでしょう。
競合が少なければ、その分価格競争に巻き込まれることも少なく、利益を確保しながら売上を拡大できるため、大きなメリットがあります。
4つ目のメリットは、オーディエンスのリーチを広げられることです。
当然ながら、日本国内だけよりも海外の市場でも商品を販売した方が、商品を購入してくれるユーザーは多くなります。
アプローチできるオーディエンスが増える上、越境ECは市場規模も拡大傾向にあり、国内だけで事業展開するよりも大きな売上をあげられるでしょう。
5つ目のメリットは、日本で売れないものが売れる可能性があることです。
日本と海外ではECを利用するユーザー層やニーズが異なるため、日本で売れない製品でも海外のユーザーが購入してくれる可能性があります。
また、日本製品は品質が高いという理由で海外のユーザーに人気が高く、越境ECにおける日本製品の取引額も非常に大きいです。
日本製品は海外で需要があるため、日本で売れていない商品でも越境ECを通じて売上をあげられる可能性があります。
越境ECにおける日本企業の強みは、以下の3つです。
1つ目は、日本商品や企業への信頼性が高いことです。
海外では多くの製品でコピー品・海賊版が流通しており、ユーザーが本物の商品を手に入れられない問題が発生しています。
一方で、日本製品は多くのジャンルで品質が高いと評価されており、多くの海外ユーザーが日本製品を愛用しています。
日本商品や企業への信頼が高く、越境ECで日本の企業が直接販売していることを打ち出せば信頼性を担保でき、ユーザーが安心して商品を購入できるでしょう。
日本商品や企業に対する信頼性の高さは、越境ECにおいて大きな強みです。
2つ目は、顧客サポートのクオリティが高いことです。
日本人はきめ細かい対応に定評があり、海外からも顧客サポートに関して高い評価を得ています。
そのため、越境ECでも細かい顧客サポートを行えば、高い顧客満足度を獲得でき、商品のリピート購入も狙えるでしょう。
ただし、充実した顧客サポートを提供するためには、外国語に精通した人材を用意するなど社内体制を整える必要があります。
3つ目は国内での販売ノウハウを活かせる点です。
既に国内でEC事業を展開していれば、そのノウハウを活かして越境ECに取り組めるでしょう。
ターゲットをどう定め、どのようにユーザーへの認知向上を図り商品購入につなげるかなどの一般的なマーケティングのノウハウは、海外のユーザーに対しても活用できます。
越境ECにおける日本企業の弱みとして、以下の3つが挙げられます。
越境ECに取り組む際は、上記への対策を事前に検討しておきましょう。
1つ目は、商品のプロモーションや訴求力です。
日本は先述の通り高い商品力がありますが、商品のメリットをユーザーに伝えるプロモーションや訴求に課題があります。
そのため、越境ECに取り組む際は、海外のユーザーニーズを把握し、ニーズに即したプロモーションやマーケティングを行う必要があります。
例えば、SNS等を介した自社商品の情報提供やユーザーが共感できるストーリーを含んだコンテンツを発信することなどが挙げられるでしょう。
日本からの直送であることや、日本商品ならではの品質や性能をしっかりとアピールすることも重要です。
越境ECに取り組む際は、単に商品を販売するだけでなく、ユーザーにどう商品を認知してもらえるかを戦略に取り組み、施策を実行する必要があります。
2つ目は、物流面のコスト・リードタイムです。
越境ECで商品を販売する場合、日本国内から海外のユーザーに向けて商品を発送します。
そのため、遠方の国であればあるほど発送費用や配送日数がかかります。
発送費用の高さや配送日数が長いことで、商品購入を躊躇されないよう適切な対策が必要です。
発送コストが安く、短い配送日数に対応できる配送業者を利用するなど、顧客に不便さを感じさせない販売体制を整えましょう。
また、ショップや商品情報欄に、ショップの営業時間、配送コスト、配送日数などを明記して顧客を安心させることも重要です。
3つ目は、言語面の障壁です。
いざ参入国で越境ECを始めても、対象国の言語に対応したECサイトを用意できず、顧客対応を対象国の言語でできないと、ユーザーに利便性を感じてもらえず商品購入に繋がらない可能性があります。
そのため、越境ECを行う際はECサイトの外国語対応はもちろん、メールやチャットなどのコミュニケーションツールも対象国の言語に対応できることが大切です。
越境ECに参入する日本企業の成功事例として、越境ECプラットフォーム「Shopee」での事例を3つ紹介します。
越境ECへの参入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
「SHIROHATO」は、株式会社白鳩が運営するインナーアイテムを取り扱うショッピングサイトです。
2022年よりShopeeに出店して越境ECに取り組んでおり、大きく売上を伸ばしています。
具体的にはShopee内で広告を出稿し、海外ユーザーの自社商品の認知度向上に成功。
大型セールと組み合わせることで、商品のオーダー数が開始当初の20倍まで増えました。
越境ECを初めたての頃は、海外のユーザーから認知度が低く集客に苦戦するケースが多くあります。
認知度向上施策として広告を取り入れ、スムーズに売上拡大まで繋げられた成功事例です。
Joint Spaceは、株式会社シライが直営するレディースファッション通販サイトです。
2021年3月からShopeeを利用し、越境ECに取り組んでいます。
越境ECの売上拡大のため、インフルエンサーに自社商品を着用してもらい、海外でのブランド認知度向上に成功。
インスタグラムで定期的に商品情報を発信し、Shopee内でのキャンペーンを上手に活用したこともあり、1年で売上を50倍に増加させました。
SNSやインフルエンサーの活用で認知度向上を図り、売上拡大に繋げた成功事例です。
Wafuuは、株式会社クレスティアが運営するShopeeの店舗です。
2021年からShopeeに出店し、美容家電や化粧品、雑貨などを中心に幅広い商品を越境ECで販売しています。
Shopee出店後に市場調査を行い、対象市場の文化、物価、買い物シーズン、SNSのトレンド、物流や配送日数などを情報収集して市場全体の特徴を把握。
日本のどのような製品がどの価格帯で売れているかを確認し、売るべき商品を精査しました。
Shopee内でどのような商品が検索結果で上位表示されるかも分析し、商品情報の最適化を行うなどの対策も実施。
結果として、月間1,500万円の売上を上げ、受注数が月平均900件に増加し、Shopeeのトップセラーにまで成長しました。
事前の市場調査やECプラットフォームの分析をしっかり行い、売上拡大に繋げた成功事例です。
越境ECにおいて、日本企業は商品力の強みがある一方、商品メリットの訴求などプロモーション面などに課題があります。
そのため、事前に越境ECで課題となりうるポイントを対策し、自社商品を効果的にPRするなど販売体制を整えることが大切です。
日本企業で越境ECに取り組み成功しているケースも多く存在するため、今回の内容を参考に越境ECで売上拡大を目指しましょう。
この記事を書いた人
H.F
マーケティング分野を中心に複数のメディアで記事を執筆しているフリーランスのWebライター。
製薬会社での勤務経験もあり、医療・健康関連の記事執筆なども行っています。
自分を一言で表すと:地道でマイペースな努力家